東海第二原発_老朽化および古さ問題

              左図(図1. 故障頻度(バスタブ曲線)の典型例)
                ※引用者注:元図の縦横比は調整してあります
              右図(図2 東海第二発電所のトラブル等発生件数)
 
初めに
 東海第二原発では、2月4日に、定検中の中央制御室の制御盤で火災が発生しました。中央制御室での火災は、日本の原発トラブルの歴史上、初めてのことだと思います。
 現在は、日本原電の中間報告(2月12日公表)程度のものしかありませんが、それによると、通常のヒューズより高電流対応のヒューズに変えてテストしている際、数秒しか通電してはいけないところを、30秒以上通電してしまい、抵抗器が熱を帯びて、出火したことのようです。高電流のヒューズに交換したのは、一連の手順としは正しいものです。ただ、通電時間が長すぎただけのようです。
 これは、オペレーションミスが原因として、幕引きされそうな気配もありますが、専門家ではないので、詳細はわかりませんが、テストをした箇所はどうも古い型の装置ではないかと推察されます。
 もし、間違えやすい古い装置の操作があったとなれば、そのトラブルの遠因は、原発の老朽化もしくは古さという側面もあるかと思います。
 最終報告をまたねばなりませんが、現状の東海第二原発の老朽化及び古さの状態をふりかえることは有用であると考え、以下に東海第二原発の老朽化および古さの問題を中心に記事一覧を作成しました。
 東海第二原発の老朽化及び古さの問題の理解の一助になれば幸いです。

※【 表示例 】
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●変圧器の耐震性向上が必要 <==KEYWORD名
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(1) 共同 2024/1/1 志賀原発の変圧器で火災発生、消火済み
   <==通し番号、新聞名、日付、タイトル
       タイトル部をクリックすると元記事が表示される
 
 林官房長官は、石川県志賀町の北陸電力志賀原発で、変圧器で 火災 が発生したと明らかにした。消火済みで、プラントに影響はないと説明した。
   <==元記事の抜粋及び画像
       赤色下線は編集側(地震がよくわかる会)で加えたものです。
       リンク下線(通常は青色)をクリックすると、当該用語の解説箇所へ移動します。

     ○東海第二原発_KEYWORD (リンクをクリックすると該当KEYWORDの記事一覧へ移動)
老朽化および古さ 避難計画実効性 運転差し止め裁判 防潮堤_施工不良 非難燃性ケーブル
老朽化_意見書・準備書面 中央制御室で火災 大震災以前のトラブル等
 

●記事一覧

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●東海第2原発_老朽化および古さ問題
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(1) 朝日新聞 1979/7/23 東海第二原発も停止 バルブ破損か 放射能、戸外に漏れず
(2) 朝日新聞 1988/12/21 ポンプ座金、大量消失 東海村の第二原発 品質チェック不十分
(3) 朝日新聞 1997/9/17 原発18基で虚偽データ 日立の下請け業者 配管溶接部167カ所
(4) 朝日新聞 1999/4/28 使用中制御棒、13本にひび 茨城・原電東海
(5) 朝日新聞 2002/4/4 給水に異常、手動停止 東海第2原発 1系統バルブ開かず?
(6) 朝日新聞 2005/8/8 東海第2原発が蒸気漏れで停止 外部へ影響なし
(7) 朝日新聞 2006/8/10 東海第二原発 安全装置に細工 82年から 国の検査通過狙う?
(8) 日本原電 2011/3/11 宮城県沖地震における東海第二発電所の原子炉自動停止について
・本日、発生した宮城県沖を震源とした地震により、定格熱出力一定運転中の東海第二発電所(沸騰水型軽水炉:定格電気出力110万キロワット)の原子炉が自動停止しました。
現在の発電所の状況は以下のとおりです。
1.原子炉施設等の状況
・原子炉は、14時48分、安全に自動停止しました。
・15時10分に原子炉の未臨界を確認しました。

(9) 赤旗 2011/10/12 茨城県 東海第2原発 廃炉に 担当相に 東海村長が表明
 日本共産党の大内久美子県議の話 9月の第3回定例議会で、老朽化した東海第2原発の危険性を指摘して橋本昌知事に再稼働の中止・廃炉を求めてきました。しかし、知事は“すべて国まかせ”という趣旨の答弁に終始しました。

(10) 東京 2014/5/20 避難計画難航のまま 原電、東海第二の適合審査申請
 半径30km圏内に全国の原発で最多の100万人近くが居住している首都圏唯一の原発、茨城県東海村の東海第二原発の再稼働に向け、事業者の日本原子力発電(原電)は20日、新規制基準の適合審査を原子力規制委員会に申請した。 (林容史)
 周辺市町村の避難計画づくりが難航しているほか、営業運転開始から間もなく36年と老朽化し、原則40年の運転期間をすぐに超える

(11) 東海第二差止 2017/1/7 意見書 古い原発はなぜ危険か 筒井哲郎
 高浜1・2号機をはじめとして、40年を超える原発の運転寿命を60年に延長する動きが加速している。古い原発はなぜ危険かという設問に対して、今までの議論はどの部位が弱点かという問題にとらわれてきた。けれども、原発に特異な弱点は、保守管理の困難にある。
 石油プラントでも火力発電プラントでも、毎年開放点検して内部をくまなく調べ、傷んだところ修繕したり、部品を交換したりしている。建設材料においても建設技術においても、原発も他のプラントも大した違いはなく、毎年こまめに開放点検できるかどうかが大きな相違点であり、安全管理の信頼性の分かれ目である。

 3.古いモデルの廃棄

 一般産業プラント、たとえば石油精製プラントや化学プラントでは、1950年代に建設した設備を今でも稼働している場合が少なくない。けれども、それらのプラントにおいては、劣化した部分(機器や配管)を完全に更新している場合が多い。他方原発では、規模の大きい工事には多大な被ばく労働を要するので、大幅な更新や補修作業が困難である。とくに熟練の技能労働者に被ばく労働を要求することは困難であって小規模補修に限定される
 その結果、故障発生頻度は下図のような確率を示す。これを「バスタブ曲線」と呼ぶ。建設後初めて運転する時に初期故障が発生する。その後安定期が続き、一定年数を経た晩期にじょじょに弱点が現れて故障頻度が増していく



    図1. 故障頻度(バスタブ曲線)の典型例

 老朽化した設備は故障リスクが高まる。それを補修によって寿命延長するか、廃棄して新しい設備を導入するかは、そのリスク回避費用更新後の性能向上利益などのバランスで判断する。自動車・家電製品などのような一般消費財は、性能や補修費用とのバランスで、寿命は10〜20年である。原発はたとえばマークTのような初期モデルはリスクが高くて、速やかに廃棄した方がよいことが福島事故で実証された。

 4.東海第二原発の現状

 1)バスタブ曲線の傾向

 東海第二のトラブル発生件数の推移は下図の通りである。初めのおよそ10年間に初期故障が頻発し、それらを克服した後の10年間は安定期にあり、20年間を経過してからはトラブルが漸増して30年経過後は高止まりしている。これは典型的な老朽時期に入っていると言えるであろう。


       図2:東海第二発電所のトラブル等発生件数

(12) 東海第二差止 2017/1/26 準備書面(41)東海第二原発の老朽化問題主張にあたって
4.東海第二原発はどれくらい古いグループなのか?
 沸騰水型原子炉(BWR)と加圧水型原子炉(PWR)と炉型によって性質が違うことから、東海第二原発と同じBWR型での順番を示す。日本で最初に導入されたガス冷却型の日本原電の「東海原発」(廃炉作業中)も除いている。
 1970年代の原発はすべて「廃炉」となっている中で、唯一東海第二だけが「運転再開」をしようとしている
 1970年代に設置されたBWRを再稼働させて40年を経てさらに20年運転させようというのは東海第二原発だけであり「未知の世界」である。裁判長においても相当な覚悟と慎重さをもって検証され判断されることを求める。



5.トラブル日本一の日本原電(株)そして東海第二原発

 東海第二原発の「トラブル情報」=機器故障頻度「1.6件/炉年」BWR平均「0.8件/炉年」に対して2倍の故障頻度である。日本原電の敦賀1号もトラブル率トップだった。このプラント別の炉年当たり「トラブル発生頻度」をグラフにしたものが次ページの図5である。
 「品質保全情報」においても「4.4件/炉年」と、東海第二原発は浜岡5号についで2番目に高く、全国のBWRの平均「2.1件/炉年」に対して2倍以上である。



 「東海第二原発」は機器故障発生頻度が全国一の原発である。周辺住民密度が日本一高いところの原発が、日本一トラブルの多い原発なのである。
 この事実は何を意味しているか? 会社としての安全管理・機器保全能力のレベルが低いからなのか、それとも使っている機器がそもそも不良なのか、古いからなのか?

(13) 東海第二差止 2017/7/20 準備書面(50)東海第二原発のケーブルの老朽化問題について 川澄敏雄
 再稼働するなら、全て難燃性ケーブルに取り替えるべきなのに・・
 半数以上を非難燃性のままで 再稼働を計画

 (1975年3月)米国・ブラウンズフェリー原発火災事故とその教訓
 ケーブルに着いた火がケーブルを通してプラント全体に燃え広がり、炉心冷却が不十分になるなど危機的状況に陥った
 =>事故の教訓から、日本では「原発のケーブルは、難燃性にすべし」
   (1980年11月「火災防護に関する審査指針」)を定めた

●難燃性ケーブルが使われていない・・・その理由
  旧火災防護審査指針ができる1980年の前に建設したため、難燃性ケーブルを使わなかった。
  代わりに、(アスベストが含まれる)延焼防止材を塗布

●原発用の耐放射線性をもったケーブルが使われていない・・・その理由
  1980年代に複数の電線メーカーによって、「耐放射線性に優れた原発向けケーブル」が開発された。
   東海第二建設時には、まだ存在しなかった。よって使いようがない。
  (※日立電線梶F1981年に「BWR用難燃ケーブル開発」と発表)

(14) 東海第二差止 2017/7/20 準備書面(48)日本一の人口密集地に立地する東海第二原発 河合弘之
 東海第二原発はそもそもケーブルが難燃性でない。

 準備書面(50)で主張するが、原発には難燃性ケーブルを用いることという規格基準ができたのが1980年であり、東海第二原発が設計された時にはそのような規格要求がなかった。
 第1層の設計基準におけるケーブル素材の品質に火災防護設計が欠落しており、それは第4層重大事故にまで発展するリスクを内包している。

 ところが日本原電は「工事が難しく難燃性ケーブルへの取り替えが困難」として、「ケーブルの難燃性」を「ケーブルトレーとしての難燃性」に置き換えてしまい、規制委員会では「我々(規制委)を誘導するつもりか」「いったい審査基準のどこにあてはまるのか説明せよ」と言われる始末であった。全長1,400kmに及び原子炉内を縦横につながっているケーブルはどこが発火点であれ火災が発生すればケーブルが延焼素材となり建屋全体に火災が広がる。非難燃性ケーブルがわずかでも残ることは決定的リスクとなる。

(15) 東京 2017/8/13 東海第二再稼働「反対」10「賛成」2 茨城の市町村
 首都圏で唯一の原発である日本原子力発電東海第二原発の原子力規制委員会の審査が大詰めを迎える中、本紙が県内四十四市町村長再稼働の是非をアンケートしたところ、十人が「反対」、三十一人が「どちらとも言えない」と答えた。首長らが、住民避難や原発の老朽化などを不安視する現状も浮かび上がった。
 再稼働に「反対」と答えた十人の理由を見ると、三十キロ圏に入る大子(だいご)町長は「九十六万人の避難は難しい」と、避難時の混乱や受け入れ先確保などを懸念。東海第二が来年十一月、原子炉等規制法が定める運転期限の四十年を迎えることに、つくば市長は「老朽化や(東日本大震災の)被災ダメージがあり、安全性が担保されない」、潮来(いたこ)市長は「四十年ルールは順守すべきだ」とした。

(16) たんぽぽ 2017/9/16 老朽、被災の東海第二原発再稼働許さない 核武装直結施設「常陽」再稼働にも反対しよう!
(17) たんぽぽ 2017/9/20 老朽、被災の東海第二原発再稼働許さない 核武装直結施設「常陽」再稼働にも反対しよう!
(18) たんぽぽ 2017/11/24 11月24日に「日本原電」に提出された抗議声明文 東海第2原発の再稼働を止める会
1.福島原発事故を起こしたものと同型の沸騰水型原発(BWR)の中では、1978年に運転開始された東海第二より古い原発は、すべて事故を起こして廃炉となったか、すでに廃炉が決定されており、もっとも古い老朽原発となっています。
 このことは、設計が古く、耐震設計の基準も定められていない時代に建設されたものということです。原子炉の中に張り巡らされた電気ケーブルなどは、火災対策としての難燃ケーブルとなっておらず、一部を新しく引き直すこととするものの、半分は物理的にも取り換え不能なまま、ケーブルをシートで被うだけですませるという危険性を残した状態で、再稼働をさせようとしているものだということです。

(19) 東京 2017/11/25 東海第二原発 延命は割に合わない
(20) たんぽぽ 2017/11/25 日本原電の東海第二原発 運転延長申請に抗議する! 東電は原電の債務保証するな!
(21) たんぽぽ 2017/12/23 「東京に一番近い原発『東海第二原発』の問題点−
(22) NHK 2018/7/4 東海第二原発 事実上合格の審査書案 原子力規制委
(23) 東京 2018/7/5 東海第二原発 新基準「適合」 避難や賠償…問題山積
 原電が持っていた原発四基のうち、二基は老朽化で廃炉。残る東海第二と敦賀2号機(福井県)は震災後、長期の停止が続く。発電はゼロでも、売電先として契約する電力五社から毎年受け取る計一千億円の「基本料金」が経営を支える。しかし、電力という商品がなければ、経営は上向かない。

(24) たんぽぽ 2018/7/21 東海第二原発(茨城県東海村)の本質的問題
(25) たんぽぽ 2018/8/27 東海第2原発の探訪記「歩く見る聞く 37」(2018年8月27日) 田中洋一
(26) 東京 2018/9/8 茨城町長が再稼働反対 東海第二 30キロ圏首長で3人目
(27) たんぽぽ 2018/9/15 東海第二原発再稼働は日本原電存続のための時間稼ぎ
(28) 東京 2018/11/7 東海第二の延長認める 最長20年、規制委手続き終了
 原子力規制委員会は七日の定例会合で、今月二十七日で運転期限四十年を迎える日本原子力発電(原電)の東海第二原発(茨城県東海村)について、最長二十年の運転延長を認めた。東海第二は新規制基準に適合しており、再稼働に必要な規制委の審査を終えた。稼働には県と三十キロ圏の水戸市など六市村から同意を得なければならず、一自治体でも反対すれば再稼働できない。 

(29) 東京 2018/11/7 原発の40年超運転「問題ない」 東海第2認可で規制委員長
(30) 京都 2018/11/9 社説:原発の運転延長 規制委の独立疑う判断
(31) 毎日 2018/11/9 社説 東海第2原発の再稼働 周辺5市の了解は難しい
 政府は、福島第1原発事故を教訓に「原発40年廃炉の原則」を導入した。運転延長は例外的な措置とされたが、規制委は今回を含め申請された原発4基の延長をすべて認めた。
 これでは、40年原則の形骸化が進むばかりだ。老朽化によるリスクや原発依存度を低減するという導入時の意図に反するのではないか

(32) 東京 2018/11/26 東海第二、営業運転40年 元技術者 延長に警鐘
(33) J-CAST 2018/11/28 やっぱりポジションの違い露骨 東海第2「運転延長」を新聞はどう伝えたか
(34) 茨城 2019/6/18 東海第2安全対策 県民469人意見 県集約 重大事故や地震・津波
(35) たんぽぽ 2019/7/9 日本原電は7/3公開質問状も受け取り拒否!(署名に続いて)
(36) たんぽぽ 2019/7/29 東海第二原発は老朽・被災で危険なだけでなく経済性もない
(37) たんぽぽ 2019/9/7 日本原電は9.4公開質問状の受け取りも拒否!
(38) たんぽぽ 2019/9/9 東海第二原発の20年運転延長はありえない 9/4(水)日本原電本社前抗議行動でのスピーチ
(39) 東京 2019/11/17 東海第二「再稼働反対」700人訴え 水戸で大集会、デモ行進
(40) 東京 2019/11/28 <東海第二原発 再考再稼働>(1)耐震性と老朽化に問題 元福井地裁裁判長・樋口英明さん
(41) HBO 2020/5/27 新型コロナ巨大災害下で「不要不急」の原発再稼働工事を進める日本原電
(42) 東京 2020/8/6 汚染の可能性心配、廃炉を 笠間焼作家・新井倫彦さん(73)
(43) 反原発自 2021/2/3 基準地震動が低く、危険な東海第二原発の再稼働の停止を求めます
(44) 反原発自 2021/3/11 日本原電本店前抗議行動の報告(日本原電への申入書)
(45) 茨城 2021/3/18 東海第2原発再稼働認めず 差し止め訴訟、住民側勝訴 水戸地裁判決
 日本原子力発電(原電)東海第2原発(東海村白方)の安全性に問題があるとして、県内の住民らが運転差し止めを求めた訴訟は18日、水戸地裁で判決公判が開かれ、前田英子裁判長は住民側の請求を認めた。同原発の運転を認めない司法判断は初めて
■判決骨子 一、東海第2原発を運転してはならない
一、基準地震動や津波の想定、耐震性に不合理はない
一、避難計画が整っておらず、防災体制が不十分
一、半径30キロ圏内の住民にとって安全性を欠き、人格権侵害の危険がある

(46) 反原発自 2021/4/7 コロナ感染源となる工事と老朽原発の再稼働を止めるよう求めます。
(47) たんぽぽ 2022/4/7 東海第二原発は日本一事故や故障が多い原発です 日本原電本店への申し入れ文
 しかも、東海第二原発は運転開始から2019年9月3日までの間に、261件の事故や故障を起こしていて、日本一事故や故障が多い原発です。
 そのような老朽原発を貴社は避難計画策定の有無は関係ないとして、多くの自治体の避難計画ができていないにもかかわらず再稼働してもいいとしていますが、仮に避難計画が策定されたとしても、こんなに事故や故障の多い原発を再稼働させるわけにはいきません。

(48) たんぽぽ 2022/5/24 「東海第二原発」を再稼働してはいけない 5つの問題 (その1) 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
問題1:40年超の老朽原発であり不測の事態が起こりやすいこと
(1)3/11震災時に被災、補修されたが損傷が残っている恐れあり
東海第二原発は、2011年の東日本大震災で地震と津波に遭遇している。このときはなんとか冷温停止することはできたが、大きな揺れにより、各所に損傷が残っているかも知れない
 特に地盤については一部液状化もしたであろうし、新たに建設している防潮堤は土壌改良を行わなければならないほど、地盤が悪い。
(2)現在は使えない可燃性ケーブルを使っていること
 福島第一原発3号機の爆発は、水素だけの爆発では説明がつかないことが分かっている。おそらく大量の可燃性の炭化水素系ガスが発生し、それに引火したのではないかと考えられている。
 ケーブル類が蒸し焼き状態になったことから発生したのではないだろうか。
 東海第二原発でも古い可燃性ケーブルが大量に使われており、難燃シートで包まれているが、火災の熱は遮蔽できない。同じような爆発が起きる可能性があると思われる。

(49) 東京 2022/6/23 東海第二老朽化 原電の評価法に疑義 茨城県チームに質問書 科学者・技術者の会
(50) 東京 2022/8/18 <東海第二原発>電力不足 政治家の無策 元かすみがうら市長・宮嶋光昭さん
(51) 東京 2022/9/8 東海第二原発 日本原子力発電本店前での市民集会が50回 「再稼働諦めさせたい」
(52) たんぽぽ 2022/9/9 東海第二原発(茨城県)の再稼働大反対! 東海第二原発首都圏連絡会
(53) たんぽぽ 2022/12/7 東海第二原発「老朽化」の別の側面 上岡直見
(54) 東京 2023/1/25 東海第二原発の控訴審直前に東京高裁が裁判長ごと担当替え
(55) たんぽぽ 2023/2/14 規制委「原発60年超運転容認」多数決? 松元成一
(56) 東京 2023/6/9 <東海第二原発 再考再稼働>(54)村議会は意思を示して 塚原千枝子さん
(57) たんぽぽ 2023/7/6 「東海第二原発の再稼働問題」で茨城県知事へ要請書提出
(58) 金曜日 2023/8/16 東海第二原発運転差止請求訴訟控訴審 原告側「一審に続き運転差止を」
(59) 東京 2023/8/31 原電本店前で毎月反対集会 とめよう!東海第二原発首都圏連絡会世話人・柳田真さん
(60) 茨城 2023/10/16 防潮堤工事で施工不良 茨城・東海第2原発 6月から中断
 日本原子力発電(原電)は16日、東海第2原発(茨城県東海村白方)の津波対策で進めている防潮堤工事で、支柱壁面にくぼみができる施工不良が確認されたと明らかにした。原電が原因調査を進めている。工事は6月から中断しており、来年9月の完了に影響が出る可能性がある。
 原電によると、施工不良が確認されたのは、取水口上部に設置する防潮堤南側の柱。今年6月、柱内側の作業をするため掘削したところ、既に工事を終えた地下10〜40メートルの複数カ所で、コンクリートが十分に充てん(じゅうてん)されておらず、くぼみがあることが判明した。骨格となる鉄筋の変形も確認された。
 柱は取水口を挟む北側と南側に15.5メートル四方の穴を地下50メートル以上掘り、鉄筋コンクリートの柱2本で防潮堤を支える仕組み。原電は南北の柱で調査を進めるとともに、工期延長について「影響の有無を含め検討する」としている。
 原電は16日、原子力規制庁に報告。県や原発が立地する東海村には11日に報告した。報告が約4カ月遅れたことについては「慎重に調査していた。隠蔽(いんぺい)の意図はない」としている。
 県原子力安全対策課は、工事中に発生した問題については原子力安全協定に基づく報告義務がないとして、原電の対応に「問題はないと考えている」とした。

(61) 毎日 2023/10/16 東海第2原発防潮堤に施工不良 6月から一部工事中断
(62) たんぽぽ 2023/10/21 東海第二原発再稼働に反対 老朽原発が動き出すと脅威は全て私たちの上に
(63) 東京 2023/11/16 東海第2の「不備」を4カ月も黙っていた原電と規制庁の不誠実
(64) 茨城 2023/11/28 最大17万人避難と試算 東海第2原発 放射性物質拡散予測 茨城県公表
(65) 毎日 2023/12/15 茨城の原発事故避難計画、12.5万人分の避難所不足 県議会で公表
 茨城県は14日、日本原子力発電東海第2原発の広域避難計画に関し、約12万5000人分の避難所が不足していると県議会で説明した。県外の受け入れ自治体に1人当たりの面積を縮小するよう要請して収容人数を増やしているケースがあるとも明らかにした。
 県は当初、1人当たりの居住面積を2平方メートルとし、原発から30キロ圏内の全人口分の避難所を「県内で約38万8000人分、福島など5県で約52万8000人分」確保したとしていた。だがトイレや倉庫なども居住スペースとする過大算定が判明。1人当たりの面積をテントで分ける場合3平方メートルと見直したこともあり、避難先の割り当てを修正している。

(66) たんぽぽ 2023/12/25 東海第二原発は「耐震性能がギリギリ」 山崎久隆
(67) 毎日 2024/8/7 東電 原電に「電力料金の前払い」1400億円 運転停止中でも
(68) NHK 2025/2/5 東海第二 中央制御室火災で規制委 "深刻に捉えている"
 4日、東海第二原子力発電所で中央制御室の制御盤から火や煙が出た火災について、原子力規制委員会の山中委員長は「非常に重要な施設での火災であり、深刻に捉えている」と述べ、今後、日本原子力発電が示す原因の調査結果を踏まえて、対応を検討する考えを示しました。
 4日午後、茨城県東海村にある運転停止中の東海第二原発で、中央制御室に設置されている制御盤の隙間からこぶし大の大きさの炎や煙が出る火災がありました。

(69) たんぽぽ 2025/2/7 東海第2中央制御室 火災事故 運転中なら原子炉制御不能か? 山崎久隆
 中性子束検出器は炉内の中性子量を検出する装置で原子炉制御に不可欠だ。これが正常に作動しなかったり表示できなくなればスクラム以外では停止操作もできなくなる
 NHKは今回の火災事故で、茨城県庁で記者会見した原電のコメントも紹介している。
 『中央制御室は、原子力発電所のいわば要の場所だ。こうした場所で火災を発生させ、地元や関係者の皆さまに多大なるご心配やご迷惑をおかけしてしまい、誠に申し訳ないと考えている。原因をしっかりと究明し、再発を防止する対応を取っていきたい』(東海第二原発・金居田秀二副所長)
 過去の火災において、県議会からも老朽化が原因ではないかとの指摘が出た際、これを否定してきた原電だが、度重なる火災事故が収まらない原因は、老朽化と人員の能力低下であると考えるべきだ。
 その意味でも、ここで火災が発生することは、過酷事故対策において、極めて厳しい状況を最初に作り上げてしまうことになることからも、非常に深刻である。
 原因究明よりも、東海第二原発を廃炉にすることを強く求める

(70) 日本原電 2025/2/12 東海第二 中央制御室内制御盤における火災の発生
 2025年2月4日,移動式炉心内計装のシェアバルブ※4の作動試験を実施するにあたり,当該制御盤の内部回路にあるスローブローヒューズ※5を大容量のヒューズ※6に交換した。その後,当社社員が中央制御室内に設置されている当該制御盤からシェアバルブのキースイッチの「点火」位置(入状態)を保持したところ,約30秒程度経過後,当該制御盤の隙間より炎・発煙を確認したため,直ちに二酸化炭素消火器で消火した。その後,シェアバルブのキースイッチを「モニタ」位置(切状態※7)に戻した。
※4:原子炉建屋2階に設置されており,緊急時に検出器が引抜けない場合や格納容器隔離弁が全閉しない場合に限って当該制御盤より作動させケーブルを切断し,格納容器の隔離を行う弁
※5:通電によりゆっくりと温度が上昇し溶断するヒューズ。当該ヒューズの容量は0.5Aであり,シェアバルブの動作電流(約5.8A)が流れると0.7秒後に溶断する仕様。
※6:工場出荷時の試験と同条件で実施するため10Aのヒューズを使用することとした。
※7:切状態ではあるものの回路の断線確認を行うため,微弱電流(9.1mA)が流れている。

4)過度な時間の通電
 短時間で溶断するスローブローヒューズを大容量のヒューズに交換するとともに長時間の通電により抵抗器※8の発熱が継続しないよう3〜4秒以内の通電時間で管理していることを確認した。
 このため,通電状態が継続し,抵抗器が発熱源となって近傍に設置されている端子台が過熱され焼損に至った可能性がある。

(5)シェアバルブの作動試験手順の調査
 工場出荷時の試験はスローブローヒューズを大容量のヒューズに交換するとともに,通電時間を3〜4秒以内で実施することを定めている



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