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東海第二原発_非難燃性ケーブル問題 | ![]() |
初めに |
原発に難燃性ケーブルを用いるという規格基準ができたのは1980年であり、東海第二原発の設計時にはそのような規格基準がなかった。東海第二原発では、現在(2025年)も、ケーブルのほとんどが古い規格、難燃性の低い、つまり燃えやすいケーブルが使用されている。 そこで、以下に東海第二原発の非難燃性ケーブルの問題に関連した記事の一覧を紹介します。 ※【 表示例 】 ============================= ●変圧器の耐震性向上が必要 <==KEYWORD名 ============================= <==通し番号、新聞名、日付、タイトル タイトル部をクリックすると元記事が表示される <==元記事の抜粋及び画像 赤色下線は編集側(地震がよくわかる会)で加えたものです。 リンク下線(通常は青色)をクリックすると、当該用語の解説箇所へ移動します。 |
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老朽化および古さ | 避難計画実効性 | 運転差し止め裁判 | 防潮堤_施工不良 | 非難燃性ケーブル | 老朽化_意見書・準備書面 | 中央制御室で火災 | 大震災以前のトラブル等 |
●記事一覧 |
============================= ●東海第2-可燃性ケーブル問題_ ============================= (1) 原子力安全推進協会 2013/8/1 女川原発 及び 東海第二 東日本大震災 対応状況について |
a.高圧電源盤火災(女川1号機)
1号機のタービン建屋地下1階において、3月11日15時30分、発煙を発見したことから、消火活動を行い、3月11日22時55分に消火を確認するとともに、高圧電源盤からの発煙であったことが確認された。 原因は、高圧電源盤内の吊り下げ設置型しゃ断器※1が、地震による振動で大きく揺れたため、当該しゃ断器の断路部が破損し、高圧電源盤内で周囲の構造物と接触して短絡等が生じ、これに伴い発生したアーク放電の熱により、高圧電源盤内のケーブルの絶縁被覆が溶け、発煙したものと推定された。 |
(2) 東京 2014/5/20 避難計画難航のまま 原電、東海第二の適合審査申請 |
原電が申請に当たり明らかにした対応策によると、津波対策では、最高で海抜18m以上、全長2kmの防潮堤を新設する。火災対策として、新規制基準では難燃性への交換が求められている電気ケーブルについて、既設のケーブルに燃えにくい塗料を塗って対応するとしており、審査の判断が注目される。対策が必要なケーブルの総延長は18.5kmに上る。
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(3) 毎日 2014/5/26 毎日 社説 東海第2原発 延命より経営見直しを |
(4) 東洋経済 2015/3/23 原発5基廃炉の裏で新増設 敦賀3、4号増設へ働きかけ強化 中村稔 |
また、日本原電は運転開始から36年経った東海第二発電所(運転開始1978年11月、出力110万キロワット)の再稼働に向け、2014年5月に規制委審査を申請している。審査に合格すれば、いずれ運転延長も申請する見込みだ。(中略)
これら1980年以前に運転を開始した原発は、新規制基準が要求する難燃性の電気ケーブルを使っていないなど、審査合格のハードルは低くないと見られる。 |
(5) 毎日 2016/8/24 東海第2原発 原子力規制委「審査中盤」 現地調査実施 |
原子力規制委員会は23日、新規制基準に基づく安全審査の一環として、日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村)の現地調査を行った。
非難燃性ケーブルの防火対策を巡っては、当初、防火剤をケーブルに塗るとしていた対策を、まとめて防火シートを巻きつける方法に変更した。 すでに審査に合格した高浜1、2号機の事例を参考にしたものだが、調査後、更田委員長代理は「防火シートを前提とするのは違う。取り換えが基本」と述べ、原電側も今後、議論していくとした。 |
(6) 東京 2016/8/25 東海第二原発の現地調査 ケーブルの防火対策にズレ |
原電によると、原発内の非難燃性ケーブルは総延長1400km(ケーブルトレー換算で18.5km)ある。原電の和智信隆常務は「防火シートで対応し、取り換えるところは取り換える」とするものの「何百本も引き直すとリスクもある。極端に言えば引き間違いも起こり得る」と述べ、防火シートによる対策の妥当性を訴えた。
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(7) 茨城 2016/11/28 遠い「合格」、迫る「40年」 東海第2、営業運転開始38年 |
(8) 東海第二差止 2017/1/26 準備書面(41)東海第二原発の老朽化問題主張にあたって |
なお、全長1,400kmに及ぶとされるケーブルの内、古い性能基準のケーブルについて新規制基準にもとづいてすべて難燃性ケーブルに取り換えるならば争わない。
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(9) 茨城 2017/7/17 東海第2適合審査、時間との戦い 原電、防潮壁評価も課題残す |
(10) 東海第二差止 2017/7/20 準備書面(50)東海第二原発のケーブルの老朽化問題について 川澄敏雄 |
再稼働するなら、全て難燃性ケーブルに取り替えるべきなのに・・
半数以上を非難燃性のままで 再稼働を計画 (1975年3月)米国・ブラウンズフェリー原発火災事故とその教訓 ケーブルに着いた火がケーブルを通してプラント全体に燃え広がり、炉心冷却が不十分になるなど危機的状況に陥った =>事故の教訓から、日本では「原発のケーブルは、難燃性にすべし」 (1980年11月「火災防護に関する審査指針」)を定めた ●難燃性ケーブルが使われていない・・・その理由 旧火災防護審査指針ができる1980年の前に建設したため、難燃性ケーブルを使わなかった。 代わりに、(アスベストが含まれる)延焼防止材を塗布。 ●原発用の耐放射線性をもったケーブルが使われていない・・・その理由 1980年代に複数の電線メーカーによって、「耐放射線性に優れた原発向けケーブル」が開発された。 東海第二建設時には、まだ存在しなかった。よって使いようがない。 (※日立電線梶F1981年に「BWR用難燃ケーブル開発」と発表) |
(11) 東海第二差止 2017/7/20 準備書面(48)日本一の人口密集地に立地する東海第二原発 可合弘之 |
東海第二原発はそもそもケーブルが難燃性でない。
準備書面(50)で主張するが、原発には難燃性ケーブルを用いることという規格基準ができたのが1980年であり、東海第二原発が設計された時にはそのような規格要求がなかった。 第1層の設計基準におけるケーブル素材の品質に火災防護設計が欠落しており、それは第4層重大事故にまで発展するリスクを内包している。 ところが日本原電は「工事が難しく難燃性ケーブルへの取り替えが困難」として、「ケーブルの難燃性」を「ケーブルトレーとしての難燃性」に置き換えてしまい、規制委員会では「我々(規制委)を誘導するつもりか」「いったい審査基準のどこにあてはまるのか説明せよ」と言われる始末であった。全長1,400kmに及び原子炉内を縦横につながっているケーブルはどこが発火点であれ火災が発生すればケーブルが延焼素材となり建屋全体に火災が広がる。非難燃性ケーブルがわずかでも残ることは決定的リスクとなる。 |
(12) たんぽぽ 2017/9/16 老朽、被災の東海第二原発再稼働許さない 核武装直結施設「常陽」再稼働にも反対しよう! |
(13) たんぽぽ 2017/11/24 11月24日に「日本原電」に提出された抗議声明文 東海第2原発の再稼働を止める会 |
(14) たんぽぽ 2017/12/23 「東京に一番近い原発『東海第二原発』の問題点− |
(15) 東京 2018/7/4 東海第二、新基準「適合」 被災原発で初 規制委了承 |
(16) たんぽぽ 2018/7/19 東海第二原発 原子力規制委員会へパブリックコメントを出そう! |
(17) 東京 2019/4/4 住民不安、解消されず 東海第二 県説明会に延べ753人 |
(18) たんぽぽ 2019/4/27 東海第二原発は特重施設の工事計画の申請さえできていない大石光伸 |
(19) 茨城 2019/6/18 東海第2安全対策 県民469人意見 県集約 重大事故や地震・津波 |
(20) 茨城 2020/1/10 東海第2 安全対策、竣工に遅れ 原電社長、工程見直し示唆 |
(21) 東京 2020/7/3 東海第二差し止め訴訟 「首都圏に壊滅的被害」 原告側改めて訴え結審 |
結審に際して原告側は、十一項目にわたる最終準備書面を提出し、ケーブルの安全性などに論点を絞って疑問を投げ掛けた。
原電は火災への備えとして、東海第二の安全上重要な設備につながるケーブルを難燃性に取り換える一方、工事により建屋への悪影響が想定される場合は、防火シートを巻く「複合体」で対応するとしている。 これに対し原告側は最終準備書面で、複合体は難燃ケーブルと同等以上の性能がなく、対策が不十分と指摘した。 |
(22) 東京 2021/4/13 東海第二 事前了解対象 6首長が対策工事視察 |
(23) 茨城 2021/4/13 東海第二原発避難計画へ情報を 周辺6市村長、日本原電に事故推移想定求める |
(24) たんぽぽ 2021/5/25 巻頭言 原発に抗うは、国のあり様を問うこと 東海村元村長 村上達也 |
(25) たんぽぽ 2022/5/24 「東海第二原発」を再稼働してはいけない 5つの問題 (その1) 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表) |
(2)現在は使えない可燃性ケーブルを使っていること
福島第一原発3号機の爆発は、水素だけの爆発では説明がつかないことが分かっている。おそらく大量の可燃性の炭化水素系ガスが発生し、それに引火したのではないかと考えられている。 ケーブル類が蒸し焼き状態になったことから発生したのではないだろうか。 東海第二原発でも古い可燃性ケーブルが大量に使われており、難燃シートで包まれているが、火災の熱は遮蔽できない。同じような爆発が起きる可能性があると思われる。 |
(26) たんぽぽ 2022/11/20 米国の原発事故の教訓も生きない日本・規制委は運転延長に際してどれだけ厳しい審査をしたのか 山崎久隆 |
米国の原発事故の教訓も生きない日本
1975年3月22日、米国のブランズフェリー原発1号機(沸騰水型軽水炉116万キロワット)で火災が発生した。この時点では運転開始2年程度で、新鋭と言って良い原発だった。しかし定期検査の最中にローソクを使って空気の通りを調べていてケーブルに引火する事故が起きた。 この火災は、発生から消火まで実に8時間を要した。約1600本以上のケーブルが利用不能になった。 事故以前にNRCは火災を起こした原発の設計基準において緊急炉心冷却システム(ECCS)の多重防護を求めていた。 制御系のケーブルは近くに配線されていると、火災の発生で延焼してしまい多重防護が破綻してしまうという技術的知見が欠落していたことが明らかになった。 |
(27) たんぽぽ 2023/6/19 東海第二原発の廃炉を求めます! 「東海第二原発いらない!首都圏ネットワーク」 |
(28) たんぽぽ 2023/10/21 東海第二原発再稼働に反対 老朽原発が動き出すと脅威は全て私たちの上に |
(29) たんぽぽ 2025/2/7 東海第2中央制御室 火災事故 運転中なら原子炉制御不能か? 山崎久隆 |
今回の火災はケーブルではないかもしれないが、発火した場所からケーブルを伝って各地に燃え広がる危険性は指摘されてきた。
1975年3月22日に、米国ブラウンズフェリー原発1号機の火災事故が発生した。火災はこれがきっかけで原子炉制御にも支障が発生した。 |
(30) 日本原電 2025/2/12 東海第二 中央制御室内制御盤における火災の発生 |
(1)当該制御盤から炎・発煙を確認した経緯
聞き取りにより確認した結果は以下のとおり。 2025年2月4日,移動式炉心内計装のシェアバルブ※4の作動試験を実施するにあたり,当該制御盤の内部回路にあるスローブローヒューズ※5を大容量のヒューズ※6に交換した。その後,当社社員が中央制御室内に設置されている当該制御盤からシェアバルブのキースイッチの「点火」位置(入状態)を保持したところ,約30秒程度経過後,当該制御盤の隙間より炎・発煙を確認したため,直ちに二酸化炭素消火器で消火した。その後,シェアバルブのキースイッチを「モニタ」位置(切状態※7)に戻した。 ※4:原子炉建屋2階に設置されており,緊急時に検出器が引抜けない場合や格納容器隔離弁が全閉しない場合に限って当該制御盤より作動させケーブルを切断し,格納容器の隔離を行う弁。 |
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