[2025_03_28_11]佐渡へ佐渡へと放射能もなびく 柏崎刈羽原発で事故があれば 途中は海で障害物がないので汚染大気が佐渡に直接来る 上岡直見(環境経済研究所代表)(たんぽぽ2025年3月28日)
 
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佐渡へ佐渡へと放射能もなびく 柏崎刈羽原発で事故があれば 途中は海で障害物がないので汚染大気が佐渡に直接来る 上岡直見(環境経済研究所代表)

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◎ 「佐渡へ佐渡へと放射能もなびく」〜佐渡では、柏崎刈羽原発の再稼働に関する関心は高く、県民投票の準備も着々と進んでいる。

 民謡の「佐渡おけさ」に「佐渡へ佐渡へと草木もなびく」という歌詞がある。
 日本海側なので北や北西の風が多いと思うかもしれないが、気象庁のデータをみると柏崎では年間を通じて南からの風、つまり佐渡方向へ向かう風が多い。
 昔の人はこのことを経験的に知っていたのだろう。
 つまり柏崎刈羽原発の事故があれば「佐渡へ佐渡へと放射能もなびく」ということだ。

◎ 私も参加する「市民検証委員会」は、新潟各地を巡回して柏崎刈羽原発に関する情報提供を続けているが、3月に佐渡で集会を開催した。
 佐渡は、福島第一原発にたとえれば、郡山市から福島市あたりの位置にあり、しかも途中は海で障害物がないので汚染大気が直接来てしまう。
 実際の気象条件でシミュレーションした結果を動画で示す。
https://youtu.be/9vPQGXyeZgo

 佐渡市では原発に関する関心は高く、佐渡市議会は2018年9月に新潟県(花角知事)に対して「柏崎刈羽原子力発電所の確実な検証と佐渡市民の安全な避難方法を求める意見書」を提出している。(※1)
 ここで「1.原子力発電所の再稼働については、公約された「3つの検証」(※2)の結果が出るまで進めないこと」「2.安全な避難方法の対象市町村に離島である佐渡市を含めるとともに、佐渡市民の理解なしに再稼働は進めないこと」を求めている。

◎ 新潟県で行った「3つの検証」とは、柏崎刈羽原発の再稼働にあたり、福島第一原発事故の経験に照らして「技術」「健康・生活」「避難」の委員会を設けて検討した活動であり、泉田知事(2004年10月〜2016年10月)の任期中に開始され、米山知事(2016年10月〜2018年6月)を経て花角知事(2018年6月〜)まで続けられた。

◎ 他県に比べれば優れた取り組みであったが、残念ながら2023年3月に総括的な取りまとめをせず打ち切られた。
 このため佐渡市議会で求めている「3つの検証」は達成されていない。
 また「佐渡市民の理解」についても曖昧なままである。これに関しては、いま県民投票の活動が行われており、県民投票条例を求める直接請求に必要な法定数の4倍に達する署名が集まった。
 これに関してはまた別記事で紹介したい。(※3)

(※1)佐渡市議会「柏崎刈羽原子力発電所の確実な検証と佐渡市民の安全な避難方法を求める意見書」
https://www.city.sado.niigata.jp/uploaded/attachment/21415.pdf
(※2)新潟県「福島第一原発事故に関する3つの検証について」
https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/genshiryoku/kensyo.html
(※3)「柏崎刈羽原発再稼働の是非を県民投票で決める会」
https://www.kenmintouhyou.net/
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