[2025_03_14_02]高浜・美浜原発の運転延長取り消し訴訟 住民敗訴 名古屋地裁(NHK2025年3月14日)
 
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高浜・美浜原発の運転延長取り消し訴訟 住民敗訴 名古屋地裁

 18:48
 運転開始から40年以上が経過した、福井県にある高浜原子力発電所1、2号機と美浜原子力発電所3号機について、愛知県などの住民が国に対して運転延長の認可の取り消しなどを求めた裁判で、名古屋地方裁判所は「国の審査や判断に不合理な点は認められない」として、住民側の訴えをいずれも退けました。
 原子力発電所の運転期間は、東京電力福島第一原発の事故のあと、原則40年に制限されましたが、福井県にある関西電力の高浜原発1、2号機と美浜原発3号機は2016年に国の審査に合格し、運転期間を最長20年延長することが認められました。
 この3基について愛知県や福井県などの住民は9年前、「老朽化した原発は危険で、国の審査は不合理だ」などと主張して、国に対して運転延長の認可の取り消しなどを求める訴えを起こしました。
 裁判で国側は「審査基準は合理的で、審査の過程に見過ごしがたい過ちはない」などとして訴えを退けるよう求めていました。
 14日の判決で、名古屋地方裁判所の剱持亮裁判長は「具体的な審査基準は外部の専門家を含め妥当性が確認されていて、原子力規制委員会の審査や判断にも不合理な点は認められない」として、3基の原発についての訴えをいずれも退けました。
 住民側の弁護団によりますと、この裁判は運転延長をめぐる国の審査の妥当性が争われた初めての集団訴訟だということで、裁判所の判断が注目されていました。

 原告側の弁護団「老朽化原発にお墨付き 大きな問題」

 判決を受けて、原告側の弁護団は名古屋市で会見を開き、北村栄弁護団長は「いつ地震が起こるかわからないなかで、老朽化原発が今後も動いていくことに裁判官がお墨付きを与えたのは、非常に大きな問題だ」と述べ、控訴する方針を明らかにしました。

 原子力規制委「適切な規制を行っていく」

 判決について原子力規制委員会は、「引き続き福島第一原発事故を踏まえて策定された新規制基準への適合性審査を厳格に進めていくことにより、適切な規制を行ってまいりたい」とコメントしています。

 関西電力「運転保全に万全を期していく」

 判決について関西電力は「引き続き安全性、信頼性の向上に努め、今後も立地地域をはじめ、社会の皆様のご理解を賜りながら運転保全に万全を期していく」とコメントしています。
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