戻る | 老朽化 Q&A | 戻る |
東海第二原発の老朽化問題に関する記事の文中に出てくる専門性の高い用語について、Q&A形式で説明を加えました。引用先のリンクも同時に参考すると、用語の理解が深まるとおもいます。どうぞご参考になさってください。 |
【質問一覧】
|
[01] 開放点検とは? [02] 発電用原子力設備規格維持規格とは? [03] バスタブ曲線とは? [04] 蒸気発生器のプラグ率とは? [05] 照射脆化とは? [06] 可撓性とは? [07] 兵庫県南部地震とは? [08] 熊本地震とは? [09] 安全率とは? [10] 「ニューシア原子力施設情報公開ライブラリー」とは? |
[01]開放点検とは? 1974 年(昭和 49 年)に岡山県倉敷市で発生した重油流出事故を契機に屋外タンク貯蔵所の基礎およびタンク本体、防油堤等にかかわる技術上の基準改正が行われた。開放点検はこの改正に伴い予防的観点から事業者に対し義務付けられた定期点検をいう。 開放点検はその実施形態として、消防機関が一定年限ごとに実施する定期保安検査と不等沈下などの一定事由により実施される臨時保安検査の 2 種類の保安検査のほか、事業者が実施する定期点検としての内部開放点検とに大別され、それぞれの概要について表7に示す。開放点検の一般的手順は、以下に示すとおりである。 (1) 貯蔵品移送、(2) タンク・クリーニング、(3) 底板研掃、(4) 検査、(5) 補修、(6) 水張り・水抜き、(7) 官庁検査、(8) 使用再開 |
[02]発電用原子力設備規格維持規格とは? 1. はじめに 2002 年 12 月に電気事業法等の改正が行われ、事業者に対して、定期に原子力発電設備の検査を行うことを義務付けるとともに、その検査において、き裂が発見された場合には、設備の構造上の健全性評価を行うことを義務付けた(* 1)。同改正の 2003 年 10 月の施行に際し、「発電用原子力設備における破壊を引き起こすき裂その他の欠陥の解釈について」(平成15年12月3日 平成 15・11・14 原院第10号)が発出され、同文書において検査の具体的方法及び健全性評価手法と判断基準について日本機械学会が策定した「発電用原子力設備規格 維持規格」(以下単に「維持規格」という。)を条件を付した上で引用した。 |
[03]バスタブ曲線とは? 1 バスタブ曲線(故障率曲線)とは バスタブ曲線(故障率曲線)とは、時間が経過することによって起こってくる機械や装置の故障の割合の変化をしめすグラフのうち、その形が浴槽の形に似ている曲線のことです。 機械・装置の機器の使用開始直後は、製造上の欠陥によって初期故障が発生する可能性がありますが、時間とともにこれらの故障は取り除かれます。これを初期故障期といいます。一般に約1年間とされています。製造欠陥による故障は時間と共に減衰しますが、軽微な欠陥は依然として残りますので偶発的に故障が発生します。これを偶発故障期といいます。一定期間経過後は、構成要素の劣化が始まるために、故障率が時間とともに増加します。これを摩耗故障期といいます。 |
[04]蒸気発生器のプラグ率とは? 「plug」とは、英語で主に動詞として使用される単語である。基本的な意味は、「差し込む」や「詰める」といったもので、電源プラグを差し込む、穴をふさぐなどの状況で使われることが多い。 ※編集者注:蒸気発生器の細管は故障の際に、修理の代わりにプラグ(栓)をして対応する。プラグ率とは蒸気発生器細管を総数に対して、栓をした個数の百分率のことを示す。 |
[05]照射脆化とは? 放射線の照射を受けて金属材料が脆化する(もろくなる)現象をいう。 金属材料が高エネルギー中性子などの照射を受けると、規則的に並んでいた原子がはじき飛ばされたり、核変換により新しい原子が生成して、不規則な原子配列(格子欠陥)、ヘリウム気泡、析出物などが生じ、材質が硬化する。照射が進むと、材料はますます硬くなり降伏応力が上昇し、材料の伸びが少なくなる。なお、金属材料は一般に照射を受けて脆化すると低温で衝撃荷重に対して著しく弱くなるが、高温になるとこの脆化は回復して再び粘り(延性)が生じる。このような延性-脆性遷移現象は原子炉圧力容器にとっては重要であり、照射が進むにつれてこの延性-脆性遷移温度は高温側にシフトするので、監視試験片を原子炉の中に入れて、定期的に調べ材料の安全性を確認している。 |
[06]可撓性とは? 読み方:かとうせい 別名:可撓性,フレキシビリティ 【英】flexibility 可とう性とは、物体が柔軟であり、折り曲げることが可能である性質のことである。 可とう性の「とう」は「撓」で、たわめることである。対義語としては「剛性」を挙げることができる。力が加わっても折れないようにすることで、災害などが起きても破壊から免れるなどのメリットが得られる。 可とう性は、配管をホース状にして液体漏れを防ぐといった用途で活用されている他、最近では有機トランジスタを用いたフレキシブルディスプレイなどの分野で研究開発が進められている。 |
[07]兵庫県南部地震とは? 兵庫県南部地震(ひょうごけんなんぶじしん)は、兵庫県南部を震源として1995年(平成7年)1月17日午前5時46分に発生した地震[2]。兵庫県南部を中心に甚大な被害と発生当時戦後最多となる死者を出す阪神・淡路大震災を引き起こした。日本で初めての大都市の直下を震源とする大地震で、気象庁の震度階級に震度7が導入されてから初めて最大震度7が記録された地震である[3]。 |
[08]熊本地震とは? 熊本地震(くまもとじしん)は、2016年(平成28年)4月14日21時26分以降に熊本県と大分県で相次いで発生した地震。 気象庁震度階級では最も大きい震度7を観測する地震が4月14日夜(前記時刻)および4月16日未明に発生したほか、最大震度が6強の地震が2回、6弱の地震が3回発生している[8]。日本国内の震度7の観測事例としては、4例目(九州地方では初)[10] および5例目[9] に当たり[注釈 1]、一連の地震活動において、現在の気象庁震度階級が制定されてから初めて震度7が2回観測された[12]。また、熊本県益城町で観測された揺れの大きさは計測震度6.7で、東北地方太平洋沖地震の時に宮城県栗原市で観測された揺れ(計測震度6.6)を上回り、国内観測史上最大となった。さらに、一連の地震回数(M3.5以上)は内陸型地震では1995年以降で最多となっている[13]。 |
[09]安全率とは? 材料の基準強さと許容応力の比で求められる係数をいう。機械や構造物が実際に使用されるときは、各種の荷重が加わり、それらを構成している各部分は変形し応力を生ずる。したがって、機械や構造物がその機能を安全に果たすためには、各部分がそこに生ずる応力に耐え、不都合な変形もおこらないように設計されなくてはならない。材料が各種の荷重に対してどの程度の強さをもつかは材料試験により求めることができるが、材料の強さにはばらつきがあり、加工や熱処理の仕方、使用環境によっても変わる。また、使用時に加わる荷重も推定したものより大きくなる可能性がある。さらに、機械や構造物が複雑になると、荷重によって各部分に生ずる応力や変形の計算の不正確さも考えられる。このように荷重、材料および設計製作上の不確実性に備えるべき係数が安全率である。 これらの不確実性も考慮し、加わる応力がこの値までなら破壊や大変形が生ずることなく、機械などが安全に機能するという限界の応力を許容応力といい、設計応力はこの許容応力に等しいか、それより小さければよい。許容応力は、使用する材料の基準になる強度を安全率で除して求められる。基準の強度としては、材料の種類や荷重および予想される破壊の様式に応じて、降伏点、引張り強度、疲労強度、衝撃強度、クリープ強度などが用いられる。安全率は1よりつねに大きく、安全率が2であるということは、設計応力を許容応力に等しくとった場合、その2倍の応力が生じても基準とした強度を超えないということである。 [林 邦夫・中條祐一] |
[10]「ニューシア原子力施設情報公開ライブラリー」とは? ニューシアについて 1966年(昭和41年)の最初の原子力発電所が稼動した当時から現在の情報まで、原子力発電所や原子燃料サイクル施設の運転に関する情報を広く共有するために公開され、安全性や透明性を一番に考え、どなたでも自由に情報を閲覧することができる情報公開サイトです。 また、ニューシア(NUCIA)とは、原子力施設情報公開ライブラリーを意味する英語の名称「NUClear Information Archives」の頭文字をとった略称です。 |
戻る | 記事終了 | 戻る |