[2024_08_21_06]東海第2原発 安全対策工事 2年余延長へ 防潮堤不備 茨城(茨城新聞2024年8月21日)
 
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東海第2原発 安全対策工事 2年余延長へ 防潮堤不備 茨城

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 日本原子力発電(原電)東海第2原発(茨城県東海村白方)の再稼働に必要な安全対策工事で、原電が完了時期を9月から2026年12月まで2年余り延長する方針を固めたことが20日、関係者への取材で分かった。不備が見つかった建設中の防潮堤について、原電は「実質的な造り直しになる」と説明していた。

 新たな完了時期が明らかになるのは初めて。関係者によると、原電は15日の社内会議で工期の延長を決定。翌16日に一部の関係機関に方針を伝えていた。東海第2の工期延長は20年1月と22年2月に続き3回目となる。
 東海第2では昨年6月、防潮堤の鋼製防護壁を取り付ける基礎部分の工事で、柱の強度を向上させるためのコンクリートが複数箇所で充てん(じゅうてん)されていないことが判明。骨格となる鉄筋の変形も確認され、工事が中断した。

 原子力規制庁は7月、基礎部分の設計を抜本的に見直し、建て直しを含めて検討するよう原電に要請。これを受け、原電は不具合箇所を基礎の構造として活用せず、防護壁を支える柱の中心部の強化や周辺地盤の改良などで安全性を確保する計画を示していた。
 原電は安全対策工事の9月完了について、村松衛社長らが「非常に厳しい状況」との認識を示しながら、現行の計画自体は変更せずに維持し続けてきた。

 これに対し、大井川和彦知事は「(9月完了が)ありえないのは明らか。対応は不誠実」と指摘。東海村の山田修村長も「早く今後のスケジュールを示すべき」と話すなど、東海第2の周辺自治体からは批判の声が上がっていた。
 原電の方針に対し、県の担当者は「工期延長に関わらず、東海第2原発の再稼働の判断には影響はない」と強調。「有識者による安全性の検証と原発周辺自治体の実効性のある避難計画が策定された上で、県民と原発30キロ圏の首長、県議会の意見を聞いて判断する」と話した。
 原電は茨城新聞の取材に対し、「現時点で工程に関して新たに知らせるものはない」とコメントした。
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