| [2025_10_18_04]海水と淡水 濃度差で発電 山口大学発の企業 実用化に挑戦(東奥日報2025年10月18日) | 
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 04:00 海水と淡水だけを使って発電する技術の実用化に、山口大学発のスタートアップ企業「Blue Water Energy」が挑んでいる。二酸化炭素(CO2)を排出しない上、太陽光発電などと異なり天候に左石されないのが強み。同社の山地正洋取締役は「エネルギー問題を解決する技術だ」と強調する。 実用化を目指すのは「逆電気透析発電」。陽イオンだけ通す膜と陰イオンだけ通す膜を交互に配置、塩分濃度の高い海水から淡水に向かうイオンの動きを電流に変える。食塩の製造過程で用いられる、電気を使って海水からさらに濃い塩水を作る仕組みの逆向き≠ノなるという。 同社の発電装置は幅2m、奥行き3m、高さ1mほど。1時間当たりの発電量は装置1台で10kW程度を見込み、一般家庭25世帯ほどの電力が賄える。淡水には工場からの排水なども利用可能で、同社は長崎市の下水処理施設で実証事業を進める。 塩分濃度差を利用した発電方法には、浸透圧を利用した「浸透圧発電」があり、国内初の発電施設が8月に福岡市で稼働を始めた。塩分濃度の低い水が濃縮した海水側へと移動するエネルギーを使いタービンを回す。 ただ同社によると、浸透圧発電は海水を濃縮する必要がある。また、大量の海水が必要になるため場所が限られる。一方で逆電気透析発電は、濃縮しない普通の海水や淡水で発電できるため、柔軟に設置できるのが強み。課題だった膜のコストも「見通しが立ってきた」(同社)。 開発には山口大の比嘉充教授(機能性高分子材料)が協力、沖縄県などでも実験に取り組んできた。2029年ごろの装置の販売を目指し、山口県宇部市に製造拠点を設けたいとしている。  | 
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