[2025_07_30_14]なぜ津波警報にかわった?気象庁が説明 今後半日から1日警報が解除されない可能性も 京大・西村卓也教授は「東日本大震災、あるいは南海トラフ地震と似た海溝型地震」(MBS2025年7月30日)
 
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なぜ津波警報にかわった?気象庁が説明 今後半日から1日警報が解除されない可能性も 京大・西村卓也教授は「東日本大震災、あるいは南海トラフ地震と似た海溝型地震」

 10:45
 気象庁は午前10時10分から会見を開き、地震と津波警報について説明しています。
 当初の津波注意報から津波警報に切り替わった理由について、気象庁は、地震発生当初にはマグニチュードを8.0と推定していましたが、その後、アメリカなど海外の調査機関からの情報が入り、マグニチュードを8.7に修正したことから、9時40分に「警報」に切り替えたということです。

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 津波警報の解除の見通しについても言及しています。
 2010年のチリ中部地震の際は津波警報の発表から解除まで1日程度かかったことから、半日から1日は解除されない可能性があるということです。
 また、実際に津波を観測した場合は、警報の継続が長くなることも考えられるということです。

 ■南海トラフ地震などの誘発は?西村卓也教授に聞く

 京都大学防災研究所の西村卓也教授に今回の地震と津波、その後の関連について話を聞きました。

 ――地震の原因、規模の特徴は?
 西村教授 今回の地震は太平洋プレート(海のプレート)が北米プレート(陸のプレート)の下に沈み込むタイプの地震で、海溝型地震と呼ばれるタイプの地震です。同じタイプとしては東日本大震災の規模の地震で、あるいは南海トラフ地震などもこのようなタイプの地震ということが知られています。
 西村教授 特徴としては、地震がマグニチュード8.7ということで非常に大きな規模だったということです。これはマグニチュード9.0だった東日本大震災に匹敵するような規模で、非常に規模が大きかったので震源から離れた日本でも実際震度1や2の揺れがありました。津波も日本の方に来ている状況です。

 ――日本近海での地震が誘発される可能性はあるのでしょうか?
 西村教授 誘発的な地震の可能性がゼロというわけではないんですけれども、ただ震源の距離を考えますと、これがすぐ直ちに南海トラフ地震に繋がるとか、あるいは他の想定されている活断層の地震に繋がるということはあまり考えにくいのかなと思っております。

 ――ロシアで起きた地震ですが、日本まで津波の影響が来たというのは、やはりそのエネルギーの大きさということなんでしょうか?
 西村教授 このクラスの規模の地震はなかなか世界的に見ても10年に1回とかそのぐらいの間隔でしか発生しないような規模になってきます。今回日本から1000キロ以上離れた地域なんですけれども、太平洋沿岸に津波が押し寄せるぐらいの規模の地震だったということです。
 西村教授 津波の特徴としては、第1波だけではなく第2波、第3波で、割と長い間、何度も押し寄せたり引いたりすると、いうようなことが予想されますので、しばらくの間、津波の避難というのは続いていただきたいと思っています。

 ――半日から1日というふうにも言われていますけれども。
 西村教授 そうですね、今のところ言えるのはそのぐらいの時間規模です。気象庁が警報注意報を発令してる間に避難を続けておくということが必要だと思います。

 ――過去の同地域での地震で日本に被害があった例はあるんですか。
 西村教授 カムチャツカではM9という地震が1952年にもありまして、そのときには日本の三陸地方などで特に高い津波がありまして、津波による避難被害が出たということがあります。規模が大きいと、カムチャッカ地震であっても日本でこういう被害が出るということは過去にあったということです。
 今は第1波、第2波がの観測中ということなんですけれども、この後さらに高い津波が来る可能性もありますので、今の状況だけで、安心とか、津波が高くないっていうふうに判断せずに、この後も警戒を続けていただきたいと思います。
 MBSニュース
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