[2025_06_07_03]東通原発を視察 「課題意識ない」 規制委・杉山委員(東奥日報2025年6月7日)
 
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東通原発を視察 「課題意識ない」 規制委・杉山委員

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 原子力規制委員会の杉山智之委員は6日、東通村の東北電力東通原発1号機を視察した。杉山委員は同電力女川原発2号機(宮城県)が昨年10月に再稼働した点を踏まえ、プラント(設備)審査について「東北電力として実績のある女川との共通部分はかなりあり、今の時点で大きな課題意識は持っていない」と述べた。
 東通原発は規制委による安全審査が2014年から続く。この日は原子炉建屋内などを見て回り、重大事故時を想定して設置する予定の注水設備等について説明を受けた。杉山委員は原子炉安全工学等を専門とし規制委で主に実用炉を担当。「自分がこれから審査に携わるところを見に来た認識」と説明した。
 東通原発1号機(110万kW)、女川原発2号機(82万5干kW)はともに過酷事故を起こした東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型軽水炉(BWR)。杉山委員は「(東通と女川は)大きく言えば設計は同じ」との考えを示した上で「全く新しいタイプの原子炉の審査でない。女川の経験に基づき無駄な時間は極力排除し効率の良い審査を目指してほしい。われわれも対応したい」と言及。さらに「東北電力が効率良い審査対応をすればさくさく進むのか」との報道陣の質問に「シンプルにはイエス」と断言した。
 敷地については「全体に余地があり重大事故等の対策設備のうち(常設に代わる)可搬設備の置き場から原子炉建屋に至るルートの確保に自由度がある」と評価した。  (本間善幸)
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