[2025_05_29_04]上関原発審査、新規制補正後に「開始」 規制委がボーリング訴訟で回答(中国新聞2025年5月29日)
 
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上関原発審査、新規制補正後に「開始」 規制委がボーリング訴訟で回答

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 山口県上関町に原発建設を計画する中国電力が、地元の住民団体「上関原発を建てさせない祝島島民の会」に予定地での海上ボーリング調査を止めないよう求めた訴訟で、島民の会の弁護団は29日、上関原発の設置申請の審査について、原子力規制委員会から「新規制基準を踏まえた内容となるよう(中国電力による)補正等がなされた後に開始する」と回答があったことを明らかにした。
 島民の会は、規制委の審査は進捗(しんちょく)状況が10年以上も不明で、着工のめどが立たない中で海の埋め立て権を基に中国電力が調査の正当性を主張するのは「権利の乱用」と指摘していた。
 同会の申し立てを受けた山口地裁岩国支部は4月、規制委に審査内容の調査を依頼していた。
 規制委は、上関原発の設置申請は新基準の施行前であり、審査は「所要の補正等がなされていないことから審査会合は開催されていない」と回答。
 今後の開催見通しも「補正等がなされることが前提」とした。また新基準への適合性審査は新設の上関原発でも可能だとした。
 中国電力は回答について「調査は新基準の審査に必要なデータを収集するため。現時点で補正の予定はないが適切に対応する」としている。
 島民の会の弁護団は「中電は十数年も何もしていなかった。権利の乱用が裏付けられた」と批判した。
 同支部ではこの日、第13回口頭弁論があり、小川暁裁判長が2025年度中の判決言い渡しを目指すことを明らかにした。(加田智之)
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