[2025_05_05_03]表面は2時間で致死レベルの放射線…福島第1原発の汚染ゼオライト「3年で撤去」にどんな難しさがある?(東京新聞2025年5月5日)
 
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表面は2時間で致死レベルの放射線…福島第1原発の汚染ゼオライト「3年で撤去」にどんな難しさがある?

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 東京電力福島第1原発の廃炉作業で抱えるリスクは、溶融核燃料(デブリ)や使用済み核燃料、汚染水などさまざま。その中で大きなリスクの一つが、建屋地下にある大量のゼオライトだ。当初は、建屋内に流れ込む汚染水から放射性セシウムを吸着するために設置していた。だが、事故から14年で高濃度に汚染されたゼオライトは、高い放射線源になっている状況だ。東京電力は遠隔ロボットを使い、3年ほどで除去する計画を立てる。はたして想定通りにいくのか。(荒井六貴)

 ◆3年で終わるの? 吸い上げ封入ロボットは開発中

 東京電力によると、ゼオライトが置かれているのは、4号機の原子炉建屋の南側にある「プロセス主建屋」(地上4階地下2階)と「高温焼却炉建屋」(地上2階地下2階)と呼ばれる2棟の建物の地下階だ。原発事故当初、この2棟に原子炉建屋内からあふれそうになった汚染水を移送するのに当たり、少しでも除染するため、主にセシウムを吸着するゼオライト入りの土のうが床に置かれた。

 2棟で土のう袋約1300個(計約26トン)あり、一部は袋が破れて、ゼオライトが散らばっている。階段には、油分や多核種を吸着する活性炭の土のう(計約1550個計約16トン)も置かれている。

 ゼオライトは長年、汚染水のセシウムを吸着してきたため、放射線量が極めて高くなった。土のう表面は最大毎時4.4シーベルト、2時間も浴びれば致死レベルだ。水深1.5メートル程度の水面でも最大約410ミリシーベルトあり、汚染水がゼオライトの放射線をしゃへいしているような異常な状況だ。(後略)
KEY_WORD:福1-4.4シーベルト「土のう」-回収_:FUKU1_:汚染水_:廃炉_:福1_デブリ回収_: