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審査「合格」の泊原発、再稼働へ課題は？ 新港建設、テロ対策、防潮堤は未完成… 積み残し多く
　23:27
　原子力規制委員会は30日に北海道電力泊原発3号機（後志管内泊村）の審査を事実上の合格とし、再稼働手続きは新たな局面に入った。全国の原発で過去最長となる11年9カ月に及ぶ審査で相次いだ指摘や疑問に、北電が何とか対応。規制委の議論が、終盤に速まった面もあった。北電が3号機の運転再開を目指す2027年はラピダス（東京）が千歳市で目指す次世代半導体の量産時期と重なる。だが、核燃料輸送やテロ対策など積み残しの課題は多岐にわたっている。

泊原発の主な安全対策のイメージ図　※北電の資料などを基に作成

　「安全の一義的責任は北電にあることを理解して進めてもらわないといけない」。規制委の山中伸介委員長は、30日の記者会見でくぎを刺した。
　13年7月に始まった審査が、なぜここまで長引いたのか。大地震を起こす活断層を巡る北電の見込みが甘く、説明も不十分だったからだ。
　規制委の疑問に対応し、北電は17年になって当初否定していた積丹半島沖の海底活断層を想定。敷地内のF―1断層についても、規制委が活断層の可能性を指摘すると、北電は19年に掘削調査に応じた。地震関係は決着まで10年かかった。
　規制委内には「このままでは審査が終わらないのでは」との声もあったが、昨年8月に潮目が変わる。津波対策が難航していた核燃料の輸送船が停泊する港を敷地外に出す方針に転じたからだ。...(後略)