[2025_04_22_02]<本音のコラム>アスベスト対策のこれから 鎌田慧(ルポライター)(東京新聞2025年4月22日)
 
参照元
<本音のコラム>アスベスト対策のこれから 鎌田慧(ルポライター)

 12:00
 能登半島地震の被害が続いている。福島原発事故の被災者の生活も復活途上である。
 工場排水や大気汚染もふくめて、日本は「公害列島」と言われてきた。これから大地震の発生が予測される。30年前の阪神・淡路大震災のときに倒壊したビルのうち吹き付けアスベスト(石綿)があった建物は多数。
 が、当時は政府や自治体もその飛散を想定していなかった、と熊本学園大の中地重晴教授がシンポジウムで報告している(「安全センター情報」2024年12月号)。
 そして石川県珠洲市の被災ホテルでも「青石綿」が地面に落下、飛散したままという。
 阪神・淡路大震災の後の解体、処理作業で多くの労働者が中皮腫や肺がんを発症した。それでもその後のボランティアたちにどれだけ徹底していたかは疑間だ。
 「津波や浸水で倒壊した建物は湿気があるが、乾燥すると解体・撤去時にアスベスト粉じんが発生する」とNPO法人「中皮腫・じん肺・アスベストセンタ ー」の永倉冬史事務局長」 が指摘している。
 大手機械メーカーのクボタ旧神崎工場(兵庫県尼崎市)でアスベスト被害が問題化した「クボタショック」から20年。
 「奇跡の鉱物」として日本経済を拡大させてきた石綿は、いま「キラーダスト」 とされている。
 原発の廃棄物と石綿は残り続け、大地震のとき、外に出てくる。
 対策をどうするか。
KEY_WORD:アスベスト問題_:HANSHIN_:NOTOHANTO-2024_:珠洲原発_: