[2025_04_18_02]「うそ言うな」「責任取れ」議場で飛び交う怒号と失意の声 柏崎刈羽原発の再稼働問う県民投票条例案否決 (東京新聞2025年4月18日)
 
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「うそ言うな」「責任取れ」議場で飛び交う怒号と失意の声 柏崎刈羽原発の再稼働問う県民投票条例案否決

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 東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働の是非を巡り、約14万3000人分の署名で請求された県民投票条例案が、18日の県議会で否決された。反対理由を述べる県議に、ほぼ満席の傍聴席から怒号が飛び、結果には失意の声が漏れた。一方で、反対した最大会派の自民党の県議からでさえ、再稼働への慎重な意見が聞かれた。(浜崎陽介)

 ◆「県議会は県民を第一に考えているのか」

 「うそ言うなよ」「責任取れよ」。条例案への反対を表明する県議に、傍聴人から批判の声が上がる。県議会特別委員会では18日午前から、各会派の代表者が賛否の理由を述べた。何度も声を上げた傍聴人が委員長から退場を命じられ、騒然となる場面もあった。

県民投票条例案を反対多数で否決した新潟県議会臨時会の特別委員会=新潟市で

 賛成の立場で最後に討論に立った馬場秀幸県議(無所属)が「二者択一であっても、多様な意見を聞くことと矛盾しない。反対理由で感情論に流されるとか、フェイクニュースにだまされるとか言われるが、住民投票だけの問題ではない」などと訴えると、傍聴席で大きな拍手が起きた。
 新潟県村上市から傍聴に来た無職佐藤八重子さん(69)は署名集めに協力したといい「呆然(ぼうぜん)としたし、がっかりした。県議会は県民を第一に考えているのか」と失望した様子。反対理由で「高度な専門知識を有する複雑なテーマで県民投票にそぐわない」と指摘されたことに、阿賀野市の警備員坂井五郎さん(72)は「県民に対する愚弄(ぐろう)。福島の事故以降、県民は原発や事故をしっかり勉強してきた」と嘆いた。

 ◆自民党の県議からも再稼働への慎重な意見

 自民県議の間でも、受け止め方はさまざまだ。原発が立地する選挙区選出の与口(よぐち)善之県議は取材に...(後略)
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