[2025_03_11_08]原発30キロ圏の避難先 1人あたりの広さ確保したら、受け入れ者数が減るジレンマ 市町村任せには限界が(東京新聞2025年3月11日)
 
参照元
原発30キロ圏の避難先 1人あたりの広さ確保したら、受け入れ者数が減るジレンマ 市町村任せには限界が

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<全国15原発30キロ圏122市町村・東京新聞アンケート>
 東京電力福島第1原発事故から14年となるのを前に、東京新聞が原発事故時の避難所の1人当たりの居住スペースについて、全国15原発の30キロ圏の122市町村(避難対象人数約400万人)にアンケートしたところ、国の新指針を満たすのは2割の自治体にとどまることが分かった。
 新指針の1人当たりのスペースは2畳よりやや広い「最低3.5平方メートル」。122市町村のうち約8割が、国が示した指針の避難所の広さを確保できていなかったり、把握していなかったりすることが判明した。
 一部では、広さを確保するために避難所数を増やす検討も始まったが、そもそも受け入れ先の確保自体が避難元自治体だけの力では限界がある中、指針に合った避難所を賄うことは難しい。国レベルでの支援は必須だ。(荒井六貴、山下葉月)

 ◆女川原発避難先…1人あたり「1畳」がやっと

 「避難になれば、他の市町村のお世話になる立場だ。でも、何も言わないわけにいかない」
 昨年10月に再稼働した東北電力女川原発(宮城県)から30キロほど北に役所がある宮城県南三陸町の担当者は、避難先の確保の難しさをそう吐露する。

宮城県女川町と石巻市にまたがる東北電力女川原発(資料写真)

 原発事故が起きれば、町民約1500人が西隣の登米市に避難する。1人当たりの居住スペースは、122市町村で最小クラスの「約1畳」で、国指針で言えば半分程度だ。
 登米市にも事情がある。市内の一部が30キロ圏に入るため、事故時に市民8700人が市内の避難所に避難する。計画では、南三陸町民のほか、石巻市民約9000人も受け入れる。

 ◆「調整役」の宮城県は「国の動きを見ていく」

 南三陸町は町民を守るために、スペースの拡大を求め登米市と調整する考えだ。町は東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた経験や、新型コロナウイルス禍の感染症対策で1人当たりのスペースを増やすことの必要性を痛感した。
(後略)
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