[2025_04_03_04]原発事故時、「屋内退避」ありきから、国の判断で「避難」に切り替えも…自治体の不安や疑問は「先送り」に(東京新聞2025年4月3日)
 
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原発事故時、「屋内退避」ありきから、国の判断で「避難」に切り替えも…自治体の不安や疑問は「先送り」に

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 原発事故時に住民の被ばくを抑えるための屋内退避のあり方を示した最終報告書を受け、原子力規制委員会は2日、事故時の防災対策を定めた原子力災害対策指針を改正する方針を決めた。最終報告書で、課題に挙げられた屋内退避中の物資供給や医療、介護サービスの維持のほか、地震などとの複合災害が起きたケースについて関係省庁と議論していくことを確認した。(浜崎陽介、荒井六貴)

 ◆原子力規制委が最終報告書

 この日、規制委の会合で規制委の検討チームが議論してきた報告書が説明された。チームに加わった杉山智之委員は「課題に取り組んでいかなければ」と強調した。地震や津波を担当する山岡耕春委員は「複合災害が話題になった。建物の耐震化が重要。他省庁との連携を検討し、次のステップを進めてほしい」と指摘。規制委事務局の担当者は「他省庁と話をする。それが第一歩」と応じた。
 原子力災害対策指針では、原発事故が起きた場合、5キロ圏は即時避難し5〜30キロ圏は屋内退避し放射線量が上がれば避難する。物資の枯渇やインフラの寸断で屋内退避ができない場合の具体的な規定はなかった。報告書に基づき6月に指針の改正案を示し、今秋にも改正するとした。
 報告書によると、屋内退避は「3日間は継続できる」として以降は1日ごとに避難への切り替えなどを判断。屋内退避中は、物資の調達や緊急性の高い医療の受診、家畜の世話など一時的な外出は可能とした。民間事業者の活動が必要なのは、物資輸送やライフライン復旧、緊急性が高い医療・介護。スーパーやコンビニ、ガソリンスタンドは「活動が期待される」と指摘した。

 ◆避難時に渋滞などの混乱も

 一方、家屋倒壊や物資の枯渇、電気や水の停止で自宅や近隣避難所にとどまれない場合、国が判断し30キロ圏外の避難に切り替える。
 避難になると、渋滞などの混乱が予想され、地震で道路が寸断していた場合、逃げられなくなる。病院や介護施設、(後略)

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