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[2025_03_18_06]中国の原発建設急ピッチ「認可含め100基超」「世界一の原発大国」主張…米欧、核戦力増強を警戒(読売新聞2025年3月18日) | ![]() |
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07:25 【瀋陽=出水翔太朗】中国の 習近平 政権が、原子力発電所の建設を急ピッチで進めている。建設中や建設を認可されたものを含めると、国内の原子炉は100基超だとして「世界一の原発大国」と主張している。脱炭素などを目的に掲げるが、高速増殖炉で抽出されるプルトニウムが核戦力増強に利用される懸念が広がっている。 11日に閉幕した全国人民代表大会(全人代=国会)で、経済政策を統括する国家発展改革委員会は原発の「安全で秩序ある積極的な発展」を掲げ、積極的な活用方針を改めて示した。 1964年に核実験を実施した中国は核開発を優先し、原発の商業運転を始めたのは94年。沿岸部を中心に次々と原発を新設し、急速な経済発展を支えた。 中国国家核安全局は今年1月、昨年末時点で運転中の原子炉が58基で、建設中と建設認可の出た原子炉を合わせると計102基に上ると明らかにした。国際原子力機関(IAEA)によると、フランスで運転中の原子炉は57基で、同局の発表が事実なら、運転中に限っても米国に次ぐ規模だ。 1月には、中国が独自開発したとする原子炉「華竜1号」を採用した福建省のショウ(機種依存文字:サンズイに章)州原発1号機が商業運転に移行した。華竜1号などの先進的な原子炉は、習国家主席がかつて科学者らとの会合で「ブレイクスルーを収めた」とたたえたものだ。ヘリウムガスで燃料を冷やす次世代原子炉「高温ガス炉」なども活用して原発を建設している。将来の海外輸出も視野に入れている可能性がある。 IAEAによると、中国での原発の発電比率は4・9%(2023年)で石炭火力への依存度が高い。習政権は、二酸化炭素(CO2)の排出量を60年までに実質ゼロにする「カーボンニュートラル」の目標を掲げており、今後も建設ラッシュは続く見通しだ。 ただ、中国の原発政策には、米欧が警戒を強めている。特に高速炉は、消費した以上のエネルギーを生み出せる一方、核燃料を再処理すれば核兵器に転用できるプルトニウムを抽出できるからだ。 米国防総省は昨年12月の報告書で、中国が同年半ば時点で保有した運用可能な核弾頭が600発超で、前年5月時点から100発増加したと推計。「核戦力の拡大を支えるために、核物質の生産や再処理を行う新たな施設の建設を進めている可能性が高い」と指摘した。福建省で建設中の高速炉2基のうち1基が完成したとの見方も示した。 中国が高速炉などに関して公開する情報が少ないことも、軍事転用への疑念に拍車をかけている。中国はかつて、IAEAに民生用のプルトニウムの保有量を米国や日本などと共同で報告していたが、16年分を最後に公表していない。 23年の先進7か国首脳会議(G7サミット)でまとめられた「核軍縮に関するG7首脳広島ビジョン」は中国への名指しは避けつつ、民生用を装い軍事用のプルトニウムを生産することに反対する文言を盛り込んだ。 |
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KEY_WORD:海外_:高速炉_日米協力_: | ![]() |
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