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[2025_03_01_06]ヨウ素剤不要と言い出した規制委員会− 能登半島地震で屋内退避も避難もできない、 再稼働に合わせて前提を変えてしまう 原子力規制委員会−非科学的だ 上岡直見(環境経済研究所代表)(たんぽぽ2025年3月1日) | ![]() |
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参照元
04:00 ◎ 能登半島地震では、原発事故があっても屋内退避もできず、道路損傷で避難もできない状況が明らかになった。 原子力規制委員会の山中委員長も、2025年2月12日の記者会見では「屋内退避ができるような状況ではなかったということが明白になった」「避難所、避難路の強化、輸送手段の強化などをきっちりと満たさなければ、原子力災害に対しての実効性は上がらない」と所感を述べている。 ◎ しかし規制委員会としては能登半島地震を反映した具体的な対応をしていない。 能登半島地震以後に「原子力災害時の屋内退避の運用に関する検討チーム」を設置し2025年2月5日に報告書(案)を公表したが、「避難と屋内退避等を適切に組み合わせることにより、被ばく線量の低減と被ばく以外の健康等への影響を抑えることができる」など漠然とした見解を示しただけである。 言いかえれば、原発事故時には住民は被ばくしてもいいという前提になる。 ◎ しかも報告書(案)では、福島第一原発事故では急性も晩発性も健康被害は発生していないという一方的な断定を前提としている。 その根拠は「UNSCEAR2020年/2021年報告書」によっているが、この報告書には重大な誤りがあり過小評価となっていることについて現在裁判で争われており、確定した結論ではない。 ◎ また規制委員会は報告書(案)と同時に市町村向けの「Q&A(案)」を発表し、この中でヨウ素剤に関してはUPZ(5〜30km)では「屋内退避中に安定ヨウ素剤の服用が必要と判断される可能性は低い」としてヨウ素剤は不要ともいえる見解を言い出した。これは「検討チーム」での議論の過程で放射性物質の拡散シミュレーションを見直した結果をもとにしている。 ◎ しかしそのシミュレーションは【TMM:No5114】(2024/11/27)でも紹介したようにBWR(沸騰水型)については福島第一原発事故の放出規模の1万分の1に下げた想定の結果である。(※) これは、PWRで再稼働可能な炉はあらかた再稼働済みで、これからはBWRが主になる状況を反映したものと思われる。 ◎ 規制委員会は「再稼働の都合に合わせて判断を変える」という非科学的な考え方で動いているのではないか。 (※)解説動画「市民運動・裁判と放射性物質拡散シミュレーション」 https://youtu.be/ULcby92X420 |
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KEY_WORD:能登2024-30キロ圏内-約400人-8日間孤立_:FUKU1_:NOTOHANTO-2024_: | ![]() |
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