| [2026_01_08_03]【緊急連載:浜岡原発データ不正(上)】地震動の過小評価…社内から疑問も立ち止まれず 再稼働審査の難航が影響か 二カ月待たず再び不祥事発覚(静岡新聞2026年1月8日) |
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08:23 浜岡原発の安全性に直結する基準地震動の審査で、中部電力による不適切な事案が明らかになった。地元に与えた衝撃や霞(かす)む再稼働の行方を追った。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)を巡り、わずか1カ月半の間にトップが2度も謝罪に追い込まれた。 中電が5日発表した新規制基準適合性確認審査の基準地震動策定に関する不適切事案。昨年11月末に発覚した安全性向上対策工事の契約手続きの社内規定違反に続く不祥事に、名古屋市内で記者会見した林欣吾社長は「原子力事業の根幹を揺るがしかねない。適格性を疑われかねない」と危機感をあらわにした。 管理職を含めた原子力土建部の社員数人が、地震動を意図的に過小評価した疑いが浮上している今回の問題。これまでの関係者への聞き取りで、社内では手法に対して疑問の声が出ていたという。しかし、結果的にそれを生かせなかった。 なぜ、立ち止まれなかったのか。中電は今後の第三者委員会の調査などを通じて事実関係を明らかにしたい意向だが、基準地震動の審査が難航していたことなどが影響したとの見方もある。聞き取りでは、そうした背景を推認させる「時間的な制約」といった言葉も漏れているという。 12月下旬に中電が経済産業省に提出した内規違反の中間報告では、原子力部門の「閉鎖的な風土」が一因になったとの反省を盛り込んだばかり。そこから年をまたいでわずかな期間に再び不祥事が明らかになり、林社長は「原子力部門の解体的な再構築」を覚悟を持って進めると繰り返した。 一方で、3、4号機の今後の審査の進め方は「規制委側の判断」と苦しさをにじませた。最初の審査の申請からまもなく12年。難航した基準地震動、基準津波の決定を受け、2024年12月から始まった建屋などのプラント審査は「相応に進展していた」(豊田哲也原子力本部長)。だが、今回の問題で先行きは一気に見通せなくなった。 今後は、基準地震動の審査で出直しを余儀なくされる可能性もある。既に決まった想定が見直されれば、さまざまな議論の前提が崩れ、さらなる審査長期化は避けられない。規制側による「審査の打ち切り」など中電にとって最悪のケースに言及する関係者もいる。 最終的に再稼働の可否を判断する地元の信頼も大きく損なった。問題の代償はあまりにも大きい。 |
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