| [2025_12_20_03]むつ中間貯蔵 核燃料 搬入対象拡大 東電・原電、県と市に表明 東電「関心ある社に声がけ」 事実上の共用案 利害一致焦点(東奥日報2025年12月20日) |
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04:00 むつ市のリサイクル燃料貯蔵(RFS)が運営する使用済み核燃料中間貯蔵施設を巡り、親会社である東京電力ホールディングスと日本原子力発電は19日、核燃料搬入・貯蔵の対象を親会社以外の電力会社にも拡大する意向を正式に表明した。両社は県と市に対し、保有分だけでは搬入予定の総量が4500トンにとどまり、当初想定していた5千トンに達しない見通しを説明。東電の小早川智明社長は、5千トンの確保に向けて「関心のある(電力各社の)皆さんに声をかけたい」と述べた。 (佐々木大輔、畑山佳奈子】 小早川社長、原電の村松衛社長らから県庁で説明を受けた小谷知也副知事は「検討できる状況ではない」と指摘。一方、山本知也むつ市長は市役所での説明に「立地要請時の約束と異なる。今すぐには回答しかねる」と述べた。 両社は7月、貯蔵の中長期計画を公表。建設予定の2棟目分を含めた全体の貯蔵量を4千〜4500トンとはじいた。市側は、5干トンに届かないと税収や交付金が想定より減るため、5干トン搬入のために再精査を要請していた。 東電は柏崎刈羽原発(新潟県)など少なくとも3基で生じる使用済み核燃料に加え、過酷事故を免れた一方で廃炉が決まった福島第1原発5、6号機や第2原発の保管分も想定する。原電は東海第2原発(茨城県)、敦賀原発(福井県)が対象。一方、再利用のため再処理工場(六ヶ所村、未完成)へ原発から直接運び込む分を考慮し、試算したという。 その上で小早川社長は、電力他社に搬入の門戸を広げる「事業者間連携」の検討を表明。「他社に声がけをして(貯蔵施設を)使う可能性があるか検討していく。どこかの会社に限定するものではない」とした。 中間貯蔵施設を巡っては2020年、電気事業連合会が電力各社で共同利用する構想を公表したが、当時の宮下宗一郎むつ市長(現知事)らの反発を招き、宙に浮いた。小早川社長は記者団に「(共同利用構想とは)別だと考えている。あくまで利用計画に不足分が生じたので、事業者間連携で進めたい」と強調した。 事実上の共用案 利害一致焦点 解説 むつ市の使用済み核燃料貯蔵施設は過去にも、立地協定外の事業者による搬入・貯蔵案が取り沙汰されてきた。そのたび当時の宮下宗一郎市長(現知事)ら地元側の反発で立ち消えになってきた。それでも事実上の共用化案として再浮上してくる背景に、使用済み核燃料の保管に窮する原子力事業のひずみを見て取ることができる。 2018年、関西電力が中間貯蔵施設に相乗りするーとの報道が先行。20年には電気事業連合会が共同利用構想を打ち出し、関電が「高い関心」を示した。 関電は福井県内で原発7基が再稼働したトップランナーだが、使用済み核燃料の保管容量が逼迫(ひっぱく)する。同県外への搬出を約束したものの、搬出先と位置付けた再処理工場(六ヶ所村)は未完成。フランスへの搬出など電事連の協力も得ながら次々に策を講じるが、搬出が滞れば運転停止を余儀なくされる恐れは消えない。 共同利用構想の浮上時も「関電の救済策」との見方が広がった。東京電力が新たに検討を表明した搬入事業者拡大案も「参画したいのはやはり関電」(事業者幹部)と見る向きがある。 一方、山本知也市長は回答を留保したが、猛反発だった過去とは市としての反応が異なる。貯蔵量減による収入減を避けるため、貯蔵計画の再精査を市が求めた経緯もあり、小早川智明東電社長は「5千トン実現を求める意見を多数いただいた」と強調。地元の意向に沿った案だと示唆した。 事業者が納得感のある説明を尽くした上で、利害が一致すれば、3度目の正直が現実味を帯びてくる可能性がある。(佐々木大輔) |
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