| [2025_12_23_11]1:25,000活断層図 能登半島北部の活断層 「富来」解説書 鈴木 康弘(1)・後藤 秀昭(2)・松多 信尚(3)・渡辺 満久(4) 令和7年12月 (1) 名古屋大学,(2)広島大学,(3)岡山大学,(4)東洋大学(国土地理院2025年12月23日) |
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参照元
04:00 国土地理院技術資料 D1-No.1145 1:25,000 活断層図 能登半島北部の活断層「富来」解説書 1:25,000 活断層図「富来」(以下「本図」という.)には,富来(とぎ)断層,貝田(かいだ)断層,酒見(さかみ)断層,西海(さいかい)断層,福浦(ふくら)断層と,その他推定活断層が記載されている.以下に,各断層の概要と判読した根拠を記載する.(下記の断層ごとの番号及び記号は,巻末の付図(断層索引図)に記載した番号及び記号に対応). (中略) 14.志賀町福浦港(ふくらこう)付近から赤住(あかすみ)に至る断層 ・走向 : 北北西−南南東 ・長さ : 約 3 km 以上(南北とも海域へ至る) ・断層種別 : 推定活断層 (1)概要 志賀町福浦港付近から赤住に至る断層は,北北西−南南東に延びる東上がりの長さ 3km 以上の推定活断層である.南北とも海域に至る. (2)判読根拠 本断層の判断根拠は次の通りである. この地域に分布する中位段丘面は,既存研究(太田・平川 1979, 渡辺ほか 2015 など)により MIS5e に形成されたとされている.この段丘面が撓曲を伴って東上がりに2〜3m程度隆起している可能性が高い. 図9〜12 に,1963 年国土地理院撮影の 2 万分の 1 航空写真(MCB639X)を用いた写真測量によって作成した地形断面図とその測線位置を示す.地形面分布を詳細に観察すると,海成段丘面として形成された中位段丘面(M1 面)と,これをわずかに下刻した河成面(M1’面:本図では沖積低地として記載)があり,これらに東上がりの落差が確認される.その比高は M1 面上で 2〜3m であるのに対して,より新しい M1’面上では 1.5m 程度であり,変位の累積の可能性が高い. MIS5e 相当の海成段丘面が二面の海成面から構成される例は少ない.また落差をもたらす崖の形状は上端が丸みを帯び,撓曲崖の形状を示す.もしも二面に分かれる理由を,MIS5e の時期に局所的な隆起が生じて浸食基準面(海水面高度)が相対的に低下したためと仮定すると,二面のうち低い方の面の上端高度(崖の基部の標高)は一定でなければならないが,実際には 10〜20m と大きくばらつくため矛盾する.なお,もしそれでもこの仮説を採る場合,崖の基部の標高を 15m として試算すると,MIS5eの旧汀線高度が 22mであることから,比較的短期間に 22-15=7m の隆起が起きてたことになり,それも考えにくい. ところで,現地調査により,陸上で確認される断層線の最北端部の離水ベンチ上海岸部で断層露頭が確認された.断層トレースは数条に分かれ,全体的に断層破砕部は差別浸食が進み,風化のため保存状態が良好ではない(写真7・8).最も陸寄りのトレースは低断層崖に連続する可能性が高く,部分的に軟らかい粘土を狭在させる. 以上のことから,本断層は変動地形学的には活断層であると判断することが妥当と考えられるが,本断層の一部がかかる志賀原子力発電所の敷地内において,原子力規制委員会による新規制基準適合性に係る審査において詳細な地質調査が行われるなかで,現時点では断層の存在を示唆するもしくは否定する地質データが確認できなかったため,本図においては推定活断層の表記とした. 図9 志賀町福浦港付近から赤住に至る断層に沿う地形断面測線位置図(鈴木未公表資料) 図 10 志賀町福浦港付近から赤住に至る断層に沿う地形断面図@(鈴木未公表資料から抜粋) 縦軸:標高(m),横軸:水平距離(m),垂直倍率5倍 図 11 志賀町福浦港付近から赤住に至る断層に沿う地形断面図A(鈴木未公表資料から抜粋) 縦軸:標高(m),横軸:水平距離(m),垂直倍率5倍 図 12 志賀町福浦港付近から赤住に至る断層(写真9)に沿う地形断面図B(鈴木未公表資料から抜粋) 縦軸:標高(m),横軸:水平距離(m),垂直倍率5倍 写真7 志賀町福浦港付近から赤住に至る断層の最北部海岸に見られる断層露頭(北方を望む) (2024 年 11 月 10 日撮影) 写真8 海岸に露出する志賀町福浦港付近から赤住に至る断層の複数トレース(南方を望む) (2024 年 11 月 10 日撮影) ![]() 写真9 志賀町福浦港付近から赤住に至る断層南部のトレース(北方を望む) (2024 年 11 月 10 日撮影) |
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KEY_WORD:国土地理院-志賀原発敷地内-推定活断層指摘_:SIKA_: |