[2025_12_21_03]福井・核燃料 むつ搬出の可能性 関電「コメントない」(東奥日報2025年12月21日)
 
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福井・核燃料 むつ搬出の可能性 関電「コメントない」

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 むつ市の使用済み核燃料中間貯蔵施設を巡り、東京電力と日本原電が19日に他社原発からの受け入れ検討を表明し、福井県内の関西電力の原発にたまり続ける使用済み核燃料の搬出先になり得る可能性が浮上した。むつ市の施設の共同利用案は2020年にも持ち上がったが、当時むつ市長だった宮下宗一郎知事の反対で頓挫した経緯があり、実現のハードルは高い。

 東電、原電の説明によると、むつ市の施設の最大保管容量5千トンに対し、両社の搬入だけでは500トン程度の空きが生じるという。関電の原発全7基で年間に発生する使用済み核燃料の約4年分に相当する。東電と原電の方針に対し、関電は福井新聞の取材に「他社のことであり、コメントする立場にない」とした。

 関電は、使用済み核燃料県外搬出に向けたロードマップ(工程表)で、30年ごろに県外で中間貯蔵施設の操業を開始する目標を堅持している。同施設への円滑な搬出を目的に、美浜、大飯、高浜の県内3原発全ての敷地内で乾式貯蔵施設の設置を計画。遅くとも35年末までに中間貯蔵施設へ運び出す方針を示すが、同施設の計画地点すら具体化できていない。

 20年末に電気事業連合会(電事連)が、むつ市の施設の共同利用案を公表した際、福井県から中間貯蔵施設の計画地点提示を求められていた関電は翌21年、共同利用案を選択肢の一つとして県側に示した。こうした経緯もあり、中間貯蔵施設に関する関電の姿勢に対し、県内の原子力関係者から「当初からむつ(の施設利用)を念頭に置いていたのでは」といぶかしむ声も上がる。

 むつ市の施設への搬出が実現するかは不透明だ。宮下知事は、10月に福井新聞などが加盟する地方新聞エネルギー研究会のインタビューに応じた際、共同利用の可能性について「ないだろう。(使用済み核燃料が)入ってくるのは日本原電と東京電力分という元々の約束がある」と強調。貯蔵容量に空きが生じることに関しては「(空き分を埋める使用済み核燃料を)持ってこなくてもよい。その分、青森県の負担が少なくなる。それだけのことだ」と言い切った。

 関電は、山口県上関町で中国電力と共同開発を目指す中間貯蔵施設の計画もある。中国電は8月に「立地は可能」と発表したものの、具体的な規模など事業計画を示していない。周辺市町からは建設に否定的な声も上がっている。

 関電の原発内の貯蔵プールは、使用済み核燃料保管量が11月末現在で全容量4450トンの約89%に達している。関電は中間貯蔵施設のほか再処理工場(六ヶ所村)やフランスへの搬出を掲げるが、工程表通りに搬出できない場合は28〜29年度に満杯となり、原発の運転を停止せざるを得なくなる可能性がある。
   (福井新聞社提供)
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