[2025_08_03_01]カムチャツカ地震津波 海底観測網 沖合で検知 データ活用、被害滅に期待(東奥日報2025年8月3日)
 
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カムチャツカ地震津波 海底観測網 沖合で検知 データ活用、被害滅に期待

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 ロシア・カムチャツカ半島付近の地震では、東日本大震災をきっかけに整備された「日本海溝海底地震津波観測網(S−net)」の水圧計が沖合で津波を捉え、気象庁の「沖合津波情報」に活用された。気象庁によると、沖合で検知に成功し、津波情報に結びつくのは珍しい。観測網を運用する防災科学技術研究所の担当者は「データが的確に活用され、被害の軽減につながることを期待したい」としている。
 地震は7月30日午前8時25分ごろに発生。気象庁は、太平洋側を中心に津波警報や注意報を発令した。午前10時55分、S−netのうち茨城県神栖市の沖合約20kmにある観測点が津波を捉えた。神栖市の鹿島港で第1波が観測されたのは、その20分余り後だった。
 気象庁によると、沖合津波情報は2013年に導入され、今回で2例目。1例目は16年11月の福島県沖地震の津波で、同じ神栖市沖の観測点などで検知した。
 津波は従来、沿岸の検潮所などで観測されてきた。S−netは、北海道沖から房総半島沖の海底に地震計や水圧計が入った装置を設置し、全長約5500kmのケーブルで結んでいる。防災科研が運用し、リアルタイムでデータを取得。震源の決定精度向上や断層がゆっくりずれる「スロー地震」の研究などに貢献してきた。
 気象庁はSーnetを含め、津波監視に活用する沖合の観測点を大幅に拡大。海上に設置された衛星利用測位システム(GPS)波浪計の観測データに基づいた沖合津波情報も出している。

  ※防災科学技術研究所などの資料から作成
   日本海溝海底地震津波観測網のイメージ

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