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[2025_07_31_10]【報ステ解説】73年前も巨大地震 今後は…カムチャツカ半島M8.7巨大地震(テレ朝NEWS2025年7月31日) | ![]() |
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02:04 30日に発生したカムチャツカ半島付近を震源とする強い地震による津波は、北海道から沖縄まで太平洋側の広い範囲で観測されました。猛暑の中、21都道県、200万人以上に避難指示が出されました。 避難中の事故で死者も 三重県では避難しようとした車が崖から転落し、運転していた58歳の女性が亡くなりました。女性は事故の前「高台の待避所に車を置いてくる」と家族にメッセージを送っていたといいます。 この記事の写真 亡くなった女性の知人 「ここへ車を置きに来た。避難しに来たということ。最初は注意報だったけれど、急に警報になったから慌てて置きに避難しに」 カムチャツカ半島付近を震源とする地震が発生したのは30日午前8時25分ごろ。この辺りでは1952年以来の巨大地震です。重要なのは当時、最大の波が日本に押し寄せたのは、地震発生から約9時間後だったこと。今回も夕方が近付くにつれ、高い津波が観測されています。北海道の根室では80センチ。1.3メートルが観測された久慈市は、1952年の地震でも1番の大きな津波に襲われました。そして、沖縄でも。 気象庁 地震津波対策企画官 清本真司氏 「津波は繰り返し襲ってくる。津波が一時的に小さくなっている地域もあるが、再び上昇する可能性もあるので、津波警報が解除されるまでは安全な場所から離れないで」 避難で熱中症も 津波注意報が警報に変わったのは午前10時前のことでした。これを境に避難の動きが慌ただしくなりました。どんどん気温が上がる時間帯です。北海道むかわ町の消防署の屋上ではテントに身を寄せて避難をしていました。 高校生 「いつ来るか分からないので怖い」 午前10時半、30センチの津波が到達した根室市。その4時間半後には80センチを観測しました。花咲港では満潮の前にもかかわらず、海面はすでに岸壁を越えるほどの高さに。そして。 松本拓也ディレクター 「港に止められている車も浸水してしまっています。完全に海面が上がって、どこが海との境目か分からないですね」 慌てて避難してきたという人は。 避難者 「東日本大震災は第1波が大きかった。今回はだんだん大きくなってくると。高台に避難しているので体は大丈夫だけど、住宅が低地にあるので被害が及ばないといいな」 北海道を中心に全国で12人が搬送されています。日高町では90代の男性が避難所で具合が悪くなり、熱中症の疑いで搬送されたといいます。 浦河町は町の沿岸部に警戒レベル5にあたる緊急安全確保を発令しました。そのほか21の都道県、200万人を超える人に警戒レベル4の避難指示が出されています。 “あの日”教訓に 東日本大震災から14年。今回、最も大きな津波が押し寄せた、岩手県久慈市では。 避難者 「病院に行っていて外来中止、中断になったので避難しに来た。やっぱり怖い」 久慈市では90代の男性が道に倒れているのが見つかり、搬送されました。1人で避難所に向かう最中だったそうで熱中症とみられます。 震災では津波が40メートルの高さまで斜面を駆け上がった、宮古市では。 宮古小学校 福徳潤校長 (Q.東日本大震災ではここは大丈夫だった) 「ここまで波は来ている。校庭まで来ている。3階は安全だということで、そこに避難する」 コンビニは全国で約800店が一時、休業となっています。大船渡市では。 釣りをしていた男性 「東日本大震災を思い出した。いち早く高台に上がろうと。自転車で来ていたけど、自転車を置いて一目散に上がって来た」 避難所の中にはエアコンが利いていない所もあるといいます。 綾里漁港では、漁師が船を守るため、津波の影響が少ない沖合に向かっていました。 綾里漁業協同組合 熊谷昌征さん 「いつも船を着岸する所が渦潮みたいになっているし、潮位の変化がある。津波が高くなった場合に船が壊れる可能性がある。なので沖に逃げた」 仲間の船10隻以上と避難。船を安全に着岸できない状況が続けば、海上で一晩を過ごす可能性があるといいます。 綾里漁業協同組合 熊谷昌征さん 「最悪、命だけ助かれば。できれば船は残したい。船がなくなるのは職を失うのと同じなので」 カキ養殖に被害 宮城県気仙沼市は日本有数のかきの養殖場です。今回の津波で、そのいかだがいくつも沈んでしまいました。 30日はあちこちで避難渋滞も起きています。高台に避難してきた高校性、実は。 茨城からきた高校生 「東日本大震災の復興支援のボランティアで来ました」 (Q.警報がなった時は) 「石巻市の大川小学校にいました。実際、自分に起こると思っていなかったので、日頃からしっかり災害に気を付けたい」 女川原発に異常はなく、運転を継続しているということです。福島第一原発では作業員の避難を終えています。処理水の放出は、あらかじめ決めていた手順に従って停止したということです。 避難者 「2011年も被災している。その時もここで一時避難して様子を見ていた。津波が来ないといい」 政府は官邸連絡室を設置して対応にあたっています。 林芳正官房長官 「インターネット上では根拠不明の情報も見られる。災害に関する情報は、自治体や報道機関の情報でご確認を」 発生14時間後も津波注意報 今回の地震についてまとめます。発生したのは午前8時25分ごろ。気象庁によると、震源はカムチャツカ半島付近で、地震の規模を示すマグニチュードは8.7とされています。アメリカの地質調査所『USGS』によると、マグニチュード8.8、震源はペトロパブロフスク・カムチャツキーの東南東119キロの沖合、震源の深さ20.7キロということです。午後10時現在も太平洋沿岸の広い範囲に津波の注意報が出ています。 地震のメカニズムについて、西村教授に事前に聞いた話をまとめます。今回の地震は、海側の太平洋プレートが、陸側の北米プレートの下に潜り込む『海溝型地震』と言われています。北米プレートにたまったひずみが限界に達し、プレートが跳ね上がってマグニチュード8.7の巨大地震が発生しました。東日本大震災の時も、太平洋プレートと北米プレートの境界で起きていて、メカニズム・規模ともに今回の地震と同程度です。 (Q.同じプレートで地震が起きたという事は、日本でも東日本大震災と同じ規模の地震が起こる可能性はありますか) 京都大学防災研究所 西村卓也教授 「今回の地震がきっかけで日本に影響があることは考えにくいと思います。ただ、今回の地震、あるいは東日本大震災と同じようなメカニズム・規模の地震が北海道東部で発生することが従来から想定されています。今回の地震にかかわらず、地震が起きる可能性があることには注意が必要です」 (Q.北海道では、釧路沖や十勝沖などで5〜7月にかけて何度も地震が起きています。北海道の一連の地震と、今回のカムチャツカ半島地震との関連性はありますか) 京都大学防災研究所 西村卓也教授 「震源が数百キロ離れているので関連はないと思います。ただ、北海道沖での巨大地震が想定されているので、それだけのポテンシャルがあることには注意が必要です」 (Q.カムチャツカ半島付近では73年前にも巨大地震が起きています。間隔が近いと感じますが、どうみていますか) 京都大学防災研究所 西村卓也教授 「マグニチュード9に近い超巨大地震は多くの場合、数百年に1度くらいの間隔で繰り返し発生するとみられてきました。東日本大震災のような地震は、日本では400〜500年に1回と言われていました。しかし今回、カムチャツカ半島付近で約70年という間隔でマグニチュード9に近い地震が繰り返し発生したことは、地震学的に考えても、今後の防災を考えるうえでも重要な教訓になると思います」 (Q.今後も比較的短期間で大きな地震が起こる可能性はありますか) 京都大学防災研究所 西村卓也教授 「この地域だけではなく、他の地域でも70〜80年くらいで超巨大地震が再来する可能性があることを今回の地震は示しました。他の地域でも地震の想定をするうえで考えなければいけない地震と捉えています」 (Q.連日、猛暑が続く中での避難。今後、我々が気を付けるべきことはどこですか) 京都大学防災研究所 西村卓也教授 「今回の場合は、場所にもよりますが、津波注意報と同時に到達予想時刻などの情報も出ていたと思います。到達予想時刻を見て、余裕がある場合は熱中症対策を取ったうえで避難所に向かうことも必要です。ただ、一番大事なのは命なので、余裕がない場合はとにかく早く、高台や避難所に逃げることを考えていただきたいと思います」 |
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KEY_WORD:カムチャッカ地震-津波_:FUKU1_:HIGASHINIHON_:ONAGAWA_:汚染水_:KAMUCHATUKA-2025_: | ![]() |
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