[2025_03_03_02]「最高裁裁判官が東京電力と利害関係」原発事故めぐる強制起訴の上告審で被害者側が意見書「退任後に判断を」(東京新聞2025年3月3日)
 
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「最高裁裁判官が東京電力と利害関係」原発事故めぐる強制起訴の上告審で被害者側が意見書「退任後に判断を」

 17:43
 2011年3月の東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東京電力旧経営陣らの上告審について、被害者参加代理人は3日、一、二審の無罪判決の破棄を求める意見書を最高裁に提出した。審理を担う第2小法廷の草野耕一裁判官は東京電力と利害関係があるとして、今月21日の定年退官後に判断することも求めた。

 ◆旧経営陣の刑事責任を問う裁判 「公正な判断を」

 意見書では、草野氏が最高裁裁判官に就任するまで共同経営者を務めた大手法律事務所は、東京電力からの依頼を多く受けるなどしており、公正な裁判を妨げると訴えた。
 提出後に旧経営陣を告訴・告発した被災者らが記者会見し、福島市から京都府に避難している宇野朗子(さえこ)さん(53)が「最高裁は証拠や証言に真摯(しんし)に向き合い、公正な判断をしてほしい」と話した。
 強制起訴されたのは、昨年10月に死去し公訴棄却となった勝俣恒久元会長、原子力部門のトップだった武黒一郎元副社長(78)、事故対策の実質的な責任者だった武藤栄元副社長(74)の3人。2019年9月の東京地裁判決は「大津波は予見できなかった」として3人を無罪とし、2023年1月の東京高裁判決も一審判決を支持した。(小野沢健太)
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