[2025_02_04_05]玄海原発3号機で作業、放射性物質を含む水が飛散し九州電力社員らにかかる…「検査指摘事項」相当(読売新聞2025年2月4日)
 
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玄海原発3号機で作業、放射性物質を含む水が飛散し九州電力社員らにかかる…「検査指摘事項」相当

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 九州電力玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)3号機で、社員らの作業や対応について、原子力規制委員会玄海原子力規制事務所の基本検査の結果、安全確保への影響を考慮するべき「検査指摘事項」に相当する2件の事案が明らかになった。玄海町で3日に行われた県原子力環境安全連絡協議会(会長・山口知事)で発表された。

 【地図】 九州電力玄海原子力発電所

 発表によると、1件は2023年11月、定期検査中に起きた。原子炉格納容器内にある加圧器の3基の安全弁を取り外す作業で、配管内を窒素で加圧したまま弁を外したため、管内に残った放射性物質を含む水が周囲に飛散し、九電社員ら2人にかかった。いったん取り外し作業を中止したが、現場の社員らは「水が飛び散った安全弁だけ中止」と思い込み、他の2基で作業を続け、さらに配管内の水が漏出した。
 もう1件は24年7月、「原子炉格納容器内の火災報知盤が故障」という警報が出たことから、九電社員2人が中央制御室から格納容器に向かう際、内規で定める被曝線量の目安(計画線量)に近づくとアラームが鳴る線量計を使わず、アラームなしの線量計を着用した。
 火災はなく感知器の不具合と判明し復旧させた。その後、線量計を確認したところ、九電が定める1日の計画線量(0・2マイクロシーベルト)よりも高い値を示していた。その後の詳しい追跡調査で2人の被曝線量は計画線量以下と判明したという。
 規制事務所は24年7〜9月期の検査で2件を把握。九電側から聞き取りを行うなど詳しく調べ、検査指摘事項に相当すると判断した。同事項に当たる場合、安全上の重要度や事態の深刻度を4段階で評価。同事務所は協議会でいずれも最低ランクと位置づけている、と報告した。
 九電は協議会で▽漏水防止に作業手順書を改定し、作業員への付着を防ぐためにビニールでの養生箇所を拡大▽線量計については、火災警報関連での対応であっても、放射線レベルの高い場所に入る際はアラーム付きを着用する――といった再発防止策を説明した。
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