[2025_02_03_02]関西電力、変圧器の有害物質混入放置「組織風土に問題」(日経新聞2025年2月3日)
 
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関西電力、変圧器の有害物質混入放置「組織風土に問題」

 19:28
 関西電力は3日、電柱上の変圧器に有害物質のポリ塩化ビフェニール(PCB)が混入していた問題でコンプライアンス委員会による調査結果を公表した。関西電力や子会社の関西電力送配電がPCB混入に対処せず放置していたり、自治体に虚偽の報告をしたりしていた背景について、関電の組織内で問題提起はあったものの、職責を果たせない風土があったと結論づけた。
 今回の問題を受けて関西電力送配電の白銀隆之社長は役員報酬の30%を1カ月減額する。
 委員会は社外の弁護士をはじめとする9人で構成し、31人のグループ社員に聞き取りした。調査によると、関電は少なくとも20年以上前から環境汚染や健康被害の恐れがあるPCBが基準値を超えて混入している変圧器の存在を確認していた。こうした事実を認識しながらも、長年この問題を放置していた。
 2018年の台風21号で変圧器から絶縁油が漏れた際には、PCBについて低い濃度の混入が発覚したように装って、大阪府などに説明していた。
 委員会は問題が起きた原因を「コンプライアンスよりコスト削減を優先する意識が強かった。最終的な責任者である配電部門に対して環境部門が口をはさみにくい風土があった」と認定し、「組織の縄張り主義があった」と結論づけた。
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