[2025_01_10_04]島根原発2号機 13年を経て営業運転再開(NHK2025年1月10日)
 
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島根原発2号機 13年を経て営業運転再開

 17:24
 中国電力は、去年12月に再稼働させた島根原子力発電所2号機で、10日、2012年1月以来、営業運転を再開しました。
 中国電力は、去年12月7日に島根原発2号機を再稼働させたあと、発電を開始し、原子炉の温度や圧力などのデータが正常かどうか、検査を行ってきました。
 そして最終的な検査が終わり、10日午後、島根原発の岩崎晃所長が原子力規制庁の検査官から「使用前確認証」を交付され、正式に営業運転を再開しました。
 島根原発2号機の営業運転は、定期検査のために停止した2012年1月以来となります。
 中国電力では当面、電源構成全体のうち、原子力発電が占める割合は1割程度になると見込んでいて、山陰両県でおよそ6割の電気をまかなうことができると試算しています。
 一方、島根原発は全国で唯一、県庁所在地に立地する原発で、30キロ圏内には島根県庁や松江市役所もあることから、緊急時の危機管理態勢が課題となっています。
 岩崎所長は「しっかりと安全対策を進め、ようやく出発点に立つことができた。原発は地域の方の信頼あってこそだと思うので、今後も訓練を重ねて安全第一に取り組んでいきたい」と話しました。

 【知事“厳重に監視する”】
 島根原子力発電所2号機が営業運転を再開したことについて、鳥取県の平井知事は「中国電力には安全を第一に緊張感をもって運転にあたるとともに、周辺地域にも状況の報告を定期的に行うよう強く求める。本県は米子市・境港市と連携し、安全協定に基づき引き続き厳重に安全を監視していく」とコメントしています。

 【鳥取と島根で交付金などに差】
 およそ13年ぶりに営業運転を再開した島根原子力発電所2号機。
 こうしたなか鳥取県が今、中国電力や国に対して求めているのは「原発対策の財源負担」です。
 その背景には、鳥取県と原発が立地する島根県が中国電力や国から受け取れる「カネ」に大きな差があります。
 島根県は原発がある自治体やその周辺に対して、国から交付される「電源三法交付金」や、国からの許可を得た上で、自治体が電力会社から徴収する「核燃料税」など、原発に関連した収入があります。
 昨年度、電源三法交付金は島根県と松江市を対象にあわせておよそ50億円が交付されたほか、中国電力は島根県に核燃料税としておよそ7億4000万円を支払いました。
 こうした収入は事故が起きた際に避難に使われる道路や避難所となる公共施設の整備など、原発対策の費用として活用されています。
 このほか乳幼児の医療助成や、路線バスの購入費用など、地域振興の名目でお金が使われる例もあります。
 一方、鳥取県は原発が立地していないためこうした交付金などを受け取ることができません。
 こうしたなか県は3年前に、原子力防災を担当する職員の人件費などとして1億8000万円を中国電力が負担することを定めた協定を締結しました。
 しかし、その後島根県も去年11月、中国電力と原子力防災にあたる職員の人件費として中国電力がさらに年間、およそ5億円を負担することで合意しました。
 これを受けて鳥取県の平井知事は、中国電力がそれぞれの県に支払う金額や、国からの交付金の額が島根県と鳥取県で大きな差があり、必要な安全対策が実施できないと強い不満を繰り返し示してきました。
 そして12月には中国電力や国に対して、受け取れる金額の差を解消するよう求める文書を提出しました。
 これに対して中国電力は営業運転再開後に、会社としての方針を改めて回答することにしています。
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