[2024_12_18_09][エネルギー基本計画原案]「福島事故風化したのか」「原発は必要」…避難者、柏崎刈羽原発抱える新潟県民の思いは?(新潟日報2024年12月18日)
 
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[エネルギー基本計画原案]「福島事故風化したのか」「原発は必要」…避難者、柏崎刈羽原発抱える新潟県民の思いは?

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 原発回帰に転換したエネルギー基本計画の改定原案が示された12月17日、東京電力福島第一原発事故で福島県から新潟県に避難した人は「13年前の事故はなかったことになったのか」と、複雑な思いを吐露した。
 一方、「使える原発は使えばいい」と理解を示す意見もあり、受け止め方は分かれた。
 この日示された原案では、これまでの基本計画で明記されていた「可能な限り原発依存度を低減する」との文言が消えた。事故で郡山市から下越地方に避難した40代女性は「(政府は)事故の記憶が風化したのか、福島事故について人ごとのようになってしまったように感じる」とため息をついた。
 福島(第一原発)事故では「(東電や国の)誰も原発を制御できなかった」との印象が強く残る。女性は「事故はまた起きるかもしれない。制御できなくなるかもしれない原発を、本当に続ける必要があるのか」と、国の方針転換に強い疑問を呈した。
 福島第一原発が立地する双葉町から避難した柏崎市で生活する男性(54)は「原発に賛成でも反対でもない」と語る。自身は事故で避難を余儀なくされたが、身近な人が原発に勤務するなど、地元雇用や地域経済への恩恵を感じていたからだという。
 男性は「事故さえ起こさないなら、あるものを動かすことには反対しない」としながら、「(原発は)将来的にはなくなっていくほうがいいのではないか」とも話した。
 原発が立地する柏崎刈羽地域の住民の間でも見方は分かれた。
 原発に反対だという刈羽村の無職女性(82)は「原発回帰なんてとんでもない」と憤った。懸念する点に、重大事故時に安全に避難できるかどうかや、原発から出る核のごみ(高レベル放射性廃棄物)の問題を挙げ、「負の遺産を将来世代に残すべきではない」と訴える。 (後略)
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