[2024_12_18_08]財界の一声で原発回帰のエネ基原案がゴリ押しされた 「融通の効かない電源をいつまで使う気か」と識者は批判(東京新聞2024年12月18日)
 
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財界の一声で原発回帰のエネ基原案がゴリ押しされた 「融通の効かない電源をいつまで使う気か」と識者は批判

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 第7次エネルギー基本計画(エネ基)の原案で、「最大限活用する」とされた原発。経済産業省は「温室効果ガスを出さず、安定供給に資する電源」と重要性を強調するが、上昇する新設コストや放射性廃棄物の処分など、複数の重大な課題をはらんだままだ。懸念を示す民意が根強い中、原発回帰策のさらなる推進が確定的になった。(鈴木太郎)

 ◆「まさに今、建て替えへの準備を始めなくては」

 「20年の建設期間を考えると、まさに今(建て替えへの準備を)始めなくてはいけない」。エネ基の改定を議論する経産省の審議会で夏、原子力研究者や企業経営者の委員が、原発活用の歯止めとなっていた6次計画までの「依存度低減」の文言の削除を強く求める場面があった。
 政府資料では、原発の発電能力を示す設備容量の合計は、全ての原子炉が60年間動く想定でも、2040年代以降に急速に減少する。建設から送電開始までの期間が世界的に長引く状況も踏まえ、電力業界をはじめとする経済界は、「原子力産業を維持するラストチャンス」と躍起だった。原案はこれらの声を受けてか、廃炉した敷地内での建て替えに言及したGX(グリーントランスフォーメーション)基本方針から、さらに活用に踏み込む表現にした。

 ◆経産省は「原発の総数は増えない」と言い訳

 原発活用への流れが着々と進む一方、民意の懸念は根強い。エネ基作成に際し、経産省が設置したオンラインの「意見箱」に寄せられた市民...(後略)
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