[2024_10_30_04]【声明】 東北電力女川原発2号機再稼働反対! 東日本大震災で被災した原発を動かすな! 福島第一原発と同型炉(沸とう水型)の再稼働反対! 私たちは女川を含め全ての原発の廃炉を求めます たんぽぽ舎(たんぽぽ2024年10月30日)
 
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【声明】 東北電力女川原発2号機再稼働反対! 東日本大震災で被災した原発を動かすな! 福島第一原発と同型炉(沸とう水型)の再稼働反対! 私たちは女川を含め全ての原発の廃炉を求めます たんぽぽ舎

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◎女川原発2号機が再稼働

 東北電力女川原発2号機は、10月29日に再稼働する。
 東日本大震災で被災し、再び原子炉災害を起こせば避難も困難な原発の再稼働に抗議する。
 2011年3月11日に地震と津波に被災し、電源設備に甚大な被害を受けて火災を発生させた女川原発。
 そのなかの2号機が10月29日に原子炉を起動し再稼働する。炉心燃料は既に装荷されており、制御棒を引き抜く作業を開始すれば、原子炉は臨界に達する。
 その後11月上旬には発電器を並列し発電を開始する予定。この間に最終段階の使用前検査を終了し、営業運転入りすることになる。
 女川原発2号機は沸騰水型軽水炉の82.5万キロワット。建設時期が異なるものの震災でメルトダウンした福島第一原発2、3号機と同型炉である。

 では、どうして震災時の結果が大きく異なったのか。
 女川原発の立地点は海抜14.8mだった。地震で1m地盤が沈下したが、13.8mの津波に対してまだ余裕があった。
 主要施設の標高が高かったことで津波の被害を最小限に抑えることができた。
 具体的な被害は、女川原発2号機の熱交換器室に浸水し非常用ディーゼル発電機1系統が使用不能になったが、他に2系統の電源が正常に稼働した。
 加えて外部電源も1系統が繋がっていたので、冷却に必要な電源を確保できた。
 しかし、地震により1号機の配電盤がアーク放電火災で焼損したため、ここでは外部電源は使えなかった。

 福島第一原発は原子炉とタービン建屋は10mにあったが、非常用ディーゼル発電機を稼働させるために不可欠な海水ポンプは6mまでにしか耐えられなかった。
 一方、福島第一原発は13mの津波に襲われたうえ、外部電源も地震により全滅し、全電源を喪失した。
 2つの違いは、結果として大きい。
 しかし立地点が高かったことは今回の津波をしのげたことは確かだが、例えば30mを超える規模だったら同じだった。

 女川原発は現在、想定津波(基準津波)を23.1mとし、到達点を海抜29mとして防潮堤を増強している。これを超える津波は来ないのか、それは誰にも分からない。1つ言えるのは、日本海溝沿いは全ての海岸線で30mを超える津波に襲われる可能性は否定できないはずだ。

◎福島第一原発と同じ炉型として初めて稼働

 女川原発2号機は沸騰水型軽水炉という型式で、これは福島第一原発と同じだ。
 ただし2号機の設計は比較的新しいためマーク〔1〕(ローマ数字の1です)改良標準型という格納容器である。
 福島第一原発や女川原発1号機よりは体積が大きく、余裕のある設計とされている。
 この場合の余裕とは、燃料が損傷しメルトダウンしたり再循環系統が破断して大量の冷却剤が蒸気となって噴出しても耐圧限界に達するには時間に余裕がある。フィルターベントも増設はしている。これが作動することで周辺地域には放射性物質が拡散する。

 しかし限界に達すれば福島第一と同様に格納容器の損傷に至るから、程度問題ともいえよう。
 原子力規制委員会の基準に適合する安全対策工事は2013年から11年間、約5700億円をかけて実施されたという。これだけの費用をかければ再生可能エネルギー設備はどれだけできるだろうか。
 原発の建設費並みの費用を投じても、運転開始から約30年たっている原発は60年の制限まで約30年、停止期間を追加するというGX法でもあと40年しか動かせない。その間に事故を起こせば取り返しのつかない事態になるだろう。

◎重大事故が起きれば避難不可能

 東海第二原発の再稼働について、水戸地裁は2021年3月に「運転をしてはならない」との判決を下している。
 理由は「防災体制が構築されていないから」。
 避難計画の不備を理由に、周辺住民の生命や身体を侵害する具体的危険があるものと認めたのである。

 女川原発はどうか。
 仙台地裁は、女川原発2号機の再稼働差し止めを求めた住民の訴えを棄却する判決を2023年5月24日に言い渡した。
 仙台地裁は「避難計画に実効性を欠いていることをもって、直ちに運転の差し止めを求めることはできない」としている。
 これは水戸地裁とは真逆の判決である。
 現在、仙台高裁で控訴審の審理中。11月27日に判決である。

 女川原発は牡鹿半島の付け根に立地しており、この地点で事故が起きれば半島全域が避難困難になる。
 実際に3・11の津波では女川町の中心部がほとんど浸水し、道路も寸断された。
 能登半島地震で避難道路がほぼ使えない状態になったことを教訓とするならば、こうした場所に原発は建てられないはずである。

◎女川原発再稼働…各地で抗議行動

 女川原発の再稼働に反対する行動が各地で取り組まれた。
 原発ゲート前では、午前中に抗議活動が行われ、女川から未来を考える会、さようなら原発inいしのまき実行委員会の申し入れ書が読み上げられた。
 その見出しを紹介する。
1.自然災害への不安は大きい。
2.東京電力福島第一原発事故から学ぶ。
3.多量の温排水が海水温を高める。
4.10万年間も子孫に危険を強いない。
5.人的災害(戦争・テロ)への不安は大きい。

 仙台の東北電力本社前でも抗議行動が取り組まれている。

◎私たちは女川を含め全ての原発の廃炉を求めます

 「原発が環境対策になる…」などと、震災から13年余り経って堂々と主張されるようになっている。世界的にも原発を新増設する動きが高まっている。
 しかし一定の間隔で起きる事故とそれに伴う放射性物質の拡散による原子力災害では、広範な地域と大勢の人々の生活を破壊し、命をも奪っている。
 「直接被ばくで死んだものはいない」などとうそぶく政治家、「金のためだ」とはばからず言い放つ地元の有力者や住民が、すさまじい放射
能災害を引き寄せる原発事故を招き寄せている。
 このような世界を終わりにするためにも、原発を全て廃炉にする。
 これが私たちの取るべき道である。
 女川原発の再稼働に反対し、廃炉を求める。

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 女川原発(宮城県)2号機再稼働に抗議(42人)
 広島県原水禁と県平和運動センター

 東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)の2号機の再稼働で、広島県原水禁と県平和運動センターは29日、広島市中区の平和記念公園で抗議の座り込みをした。
 42人が原爆慰霊碑前に集まり、午後0時15分から約30分間、「女川原発2号機の再稼働に抗議」と書かれた横断幕を掲げた。
 「今求められているのは、危険な原発への回帰ではなく、原発に頼らないエネルギー政策の推進だ。核と人類は共存できない」などとするアピール文も採択した。政府と東北電力に届ける。
 28日には中国電力が12月に予定する島根原発2号機(島根県松江市)の再稼働に向け、原子炉に核燃料を入れる燃料装荷の作業を始めた。
 広島県原水禁の木原省治常任理事は「衆院選が終わるのを待っていたようだ。女川も島根も地形から避難計画が難しく、非常に危険な状況だ」と批判した。(下高充生) (10月29日 「中國新聞デジタル」 より)
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