[2024_10_25_03]「ごまかしばかりで無責任」 政治家は原発を語らなくて良いのか(毎日新聞2024年10月25日)
 
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「ごまかしばかりで無責任」 政治家は原発を語らなくて良いのか

 08:00
 政治とカネ、物価高に安全保障――。27日投開票の衆院選では、候補者たちが声高にこれらの対応策を訴えている。だが、その陰で十分な論争が起きていないのが原発政策だ。東京電力福島第1原発事故の記憶も残るなか、年度内にも政府の原発政策が大きな転換期を迎える可能性が高いだけに、その是非は重要な課題のはずだ。政治家は原発を語らなくて良いのか。

 各党の原発公約には違いも

 「福島の復興なくして東北の復興なし。東北の復興なくして日本の復興なし」。衆院選公示日の15日、石破茂首相(自民党総裁)が第一声の場に選んだのは、原発事故の被災地・福島県いわき市だった。有権者を前に東日本大震災や、復興庁創設の経緯などから語り始めた。
 その後、話題は安全保障や経済対策、政治改革など多岐にわたった。だが、約20分の演説中、原発政策や廃炉などについては一言も触れることなく終わった。

 同日、東京都八王子市で第一声に立った立憲民主党の野田佳彦代表は「裏金が大きな争点であることを国民の皆様にご理解いただき、その怒りを皆さんと共有していただく」と、自民の派閥裏金問題の批判に終始した。

 その他の党首の第一声では、共産党が「原発ゼロ」を一言訴えたが、日本維新の会、公明党、国民民主党では言及されなかった。
 その後の選挙期間中も、被災地ですら「原発政策について候補者が話しているのは聞いたことがない」(福島県伊達市の80代男性)というのが実態のようだ。
 各党の公約には、原発政策の記載がないわけではない。自民は、前回の衆院選まで盛り込んでいた「可能な限り原発依存度を低減する」との文言を削除し、「原子力など脱炭素効果の高い電源を最大限活用」するとした。
 立憲は党綱領にある「原発ゼロ」を明示しなかったが、新増設には反対する。
 維新や国民は次世代原発の開発や活用を推進し、公明は原発依存度の低減、共産は「2030年度に原発ゼロ」をそれぞれ主張する。
(後略)
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