[2024_10_25_02]北電泊原発の審査内容 妥当か 規制委が現地調査(NHK2024年10月25日)
 
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北電泊原発の審査内容 妥当か 規制委が現地調査

 17:07
 北海道電力泊原子力発電所の再稼働の前提となる審査を行っている原子力規制委員会は、25日までの2日間、これまでの審査内容の妥当性を確認するための現地調査を行いました。調査を行ったのは、規制委員会で自然災害の分野を担当する山岡耕春委員などです。

 25日は、火山の影響評価について、北電の説明内容を確認するため、原発から南東に10キロほど離れた共和町幌似地区を訪れました。
 この付近は、およそ11万年前に現在の洞爺湖付近で火山が噴火した際の火砕流が到達したとみられていて、山岡委員たちはハンマーで地層を削って調べていました。
 泊原発は、全国の原子力発電所の中で活火山からの距離が最も近く、過去の噴火で影響が及んだ範囲などをどう評価するかが審査の焦点の1つとなっていましたが、今月開かれた規制委員会の審査会合では、北電の説明がおおむね了承されています。
 一方、専門家の中には、巨大噴火を予知することの難しさや、北電の評価内容を不十分だと指摘する声もあります。
 調査のあと山岡委員は「地層を見て、過去の巨大噴火で火砕流が原発の敷地に到達した蓋然性は高いと思うが、原発の運転期間中に巨大噴火が起きる可能性は低いとする北電の評価に問題はなく、地下のモニタリングによって噴火の兆候をいかに早くつかむかが大切だ」と述べました。
 これまでの審査では、火山以外にも想定される地震の揺れや津波の高さなどについて、北電側の説明がおおむね了承されていて、北電は審査会合での説明を年内に終えたいとする考えを示しています。
 原子力規制委員会にとっては、泊原発の審査会合中では最後の現地調査となる可能性があるということで、山岡委員は「これまでに審査会合で時間をかけて議論されてきたことが、現地で実際に確認しても問題ないと感じた」と所感を述べました。
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