![]() |
![]() |
[2001_04_04_03]「一歩間違えば集落に」 F16墜落事故 天ケ森住民 怒り噴出 全面撤去要求へ 緊急集会 飛行中止し点検 米軍副司令官 市長に報告 有害物質ヒドラジン搭載も「影響なし」(東奥日報2001年4月4日) | ![]() |
![]() |
「一歩間違えば集落に落ちたんだ」「やはりF16は全面撤去だ」ー。米軍三沢基地所属のF16戦闘機が三沢市天ケ森沖に墜落した事故で、天ケ森町内会の役員らは3日夜、緊急会議を開き、繰り返される事故への怒りを噴出させた。また、基地周辺住民で組織する三沢基地進入表面下町内会連合会は、事故・トラブル続きのF16戦闘機への不信感を強めており、全面撤去を求めていく方針だ。 天ケ森町内会の役員会は地区集会所のふれあい館で緊急に開かれた。役員9人が出席、三沢市役所と三沢防衛施設事務所に米軍への抗議要請することを決めた。役員らは三沢対地射撃場での訓練中止を第一に要請。また、射撃場の移転か、できなければ住民の集団移転を求めることを申し入れることになった。 役員会後、記者会見に応じた針田隆同町会長は「再三、こういうことが起こっている。厳重に抗議した。住民を軽視しているのではないか。住家に落ちてからでは遅すぎる」と怒りの声を上げた。天ケ森地区の農業二羽石松さん(64)は同日午後、畑で農作業をしていて消防車のサイレンを聞いた。直前まで戦闘機が低空飛行していたので「射爆場で訓練をしているな」と思ったという。「家に帰ってニュースで事故を知り驚いた。近くに墜落したら大変なことになった。本当に怖い」と不安を募らせた。 三沢基地進入表面下町内会連合会の玉川健五郎会長は「射爆場の上空でのトラブルだと思う。少しずれれば集落、人家に墜落したのではないか。まかり間違えれば大変なことになった」と指摘。「米軍三沢基地のF16はやはり撤去しかない。事故への抗議とともに全面撤去を求める」とF16戦闘機への拒絶反応を明確にした。 米軍三沢基地のF16は1985(昭和60)年、約36機が配備。燃料タンクや実弾・模擬弾の投棄などトラブルが後を立たず事故も頻発。99年1月には岩手県釜石市の山中に墜落し炎上、2000年11月には北海道沖に2機が墜落するなど重大事故をこれまで8件起こしている。 飛行中止し点検 米軍副司令官 市長に報告 三沢市役所では同日午後6時、ジェフリー・ブランチェット副司令官が鈴木重令市長に事故発生を報告した。 ブランチェット副司令は「このような形で市長に会うのは残念」と前置きして概要を説明。「事故があってからすべての飛行を中止し、航空機の整備点検を始めている。すべての整備状況が確認されるまで飛行はしない」と約束した。さらに「墜落によって海上に油が漏れたかどうかを把握するなど、少しでも早く現場の状況をつかむよう努めたい」と語った。 鈴木市長は「一番知りたいのは、どういう状況で事故が起きたのかということ。なぜ脱出しなければならなかったのか。すべての状況について早く知らせてほしい」と要望。「住民の安全を考えなければならない。昨年11月に日本海で墜落事故があり、先般その報告をうけたばかり。またすぐに事故。F16への信頼が薄れるのを懸念する」と強調した。 今回の事故を受けて、市議会は4日午前9時半に基地対策特別委員会を招集、対応を緊急協議する。森三郎市議会議長は「午後5時ごろ事故の連絡を受けた。またかと思った。F16はちょっと事故が多すぎる」とまゆをひそめた。 有害物質ヒドラジン搭載も「影響なし」 米軍三沢基地のF16戦闘機墜落事故に関し、同基地第35戦闘航空団のジェフリー・ブランチェット副司令官は3日、事故機が発がん性のある有毒物質「ヒドラジン」を搭載していたことを明らかにした上で、「海上に落ちたということなので、(環境への)影響はほとんどない」と語った。 ヒドラジンはF16全機に搭載され緊急用パワーユニットの燃料として使用されている。皮膚や目に触れたり飲んだりした場合、一時的な視力喪失やひきつけなどを起こすが、酸素に触れると瞬時に揮発するという。 |
![]() |
![]() |
KEY_WORD:ROK_KIROKU_:米軍三沢基地_:F16_:墜落落下事故_:三沢対地射爆撃場(天ケ森射爆場)_:三沢基地進入表面下町内連合会(玉川健五郎会長)_:天ケ森町内会(針田隆会長)_:鈴木重令三沢市長_:森三郎市議会議長_: | ![]() |
![]() |