[2024_11_18_38]石渡明 会見 質疑応答2(日本記者クラブ_石渡明(前原子力規制委員会委員)_会見2024年11月18日)
 
[会見動画頭出し]
石渡明 会見 質疑応答2

 15:30

 質問

 (?オンライン)の(?)といいます。今日ありがとうございました。2つばかり質問ございます。東日本大震災の後にですね、先ほど先生ご指摘ありましたように、熊本と能登で地震がありましたが、原発には被害はないなかったとで、これはマグニチュードで言うと7.6と7.3であったというお話でしたが、例えば、次にマグニチュード9クラスの地震が起こった場合に、現在の審査適合した原発については、ほぼ心配がないと言えるのかどうかってことが一点で。
 もう1点は、先ほど津波・地震・火山活動それぞれのリスクのお話をされてましたけど、この日本において、今後例えば100年とか200年という間に、原発のリスクでこの3つのうち、最も起こる可能性が高いもの。そしてもう1つは、最も甚大な被害を起こしそうなケースっていうのは最悪のケースとしてはどんなものを考えられるか教えていただければと思います。お願いします。

 回答

 はい中々答えるのが難しい質問ですが、例えばマグニチュード9クラスの地震が起きる場所というのは地球上では比較的限られておりますね。つまりその大きなプレートの沈み込み帯、こういうところでしか、マグニチュード9クラスの地震は今まで起きておりません。そういうとこだけで起きてます。地球上でマグニチュード9クラスの地震が起きてるのは、大体、太平洋のまわりの沈み込み帯、南米沖、北米沖、それからロシアの極東地方の沖合いです。カムチャッカとかあるいはアリューシャン、カムチャッカ、千島。そして今度の東北沖で。大体マグニチュード9クラスはそういうところで起きています。
 1つ例外はインドネシアのインド洋で起きた地震ですけど、あそこも、長い沈み込み帯がありまして、状況は太平洋と同じなんですよね。ですから、そういうところでしかマグニチュード9を超える地震っていうのは、今まで地球上では起きておりません。
 ですから、そういうのが起きるとすれば、伊豆諸島から、日本海溝、千島海溝のあそこか、あるいは南海トラフ沿いか、その2箇所。日本のまわりでは今までの地震学の常識というか今までの地震の起き方からすれば、そういうところが可能性がある。
 地震に関しては特に、東日本大震災の太平洋沖では地震の揺れそのものは、あんまり大きくなかったんです。マグニチュード9はもちろん大きな断層が動いたのは確かなんですが、地震の揺れとしては、震源からの距離が結構ありますので、あんまり強い揺れが来ない。
 むしろ長時間揺れが続いたということで、例えば丘の上に立っている、あんまり高くないビルが軒並みやられたんです。特に私は仙台にずっといましたので、4月7日に次の地震が来たんです。4月7日の地震の方が揺れそのものは大きかったです。
 これ宮城県内は大体どこでもそうだったんではないかと思います。
 ですから、そのマグニチュードが大きければ危ないかっていうと、決してそういうことではなくて、小さい地震でも近くで起きるとこれは被害がものすごい大きくなりますから、そういう場合はこれ非常に不確定になりますね。中々それを予想するのは難しいということになります。
 ただそのある程度の大きさの地震ですと、必ず地表まで断層が出ます。で、なんかそういう地震があったという。その証拠がまわりに残っていることが多いわけで、マグニチュード7を超える地震というのは大体そういう証拠があります。
 それで震源を特定して策定する地震動っていうのはその証拠に基づいて行うわけです。ただそれより小さいものについては、これは証拠が残らないので、それはもうどこでも来ますから、その地震波は原子炉の直下に入れて揺らして、確かめてくださいということをやるわけです。
 それはですから、マグニチュード6.5以下の地震についてやっているわけです。
 何が1番危ないか、これは全部危ないですよね。
 そういう意味では火山も日本には100以上の活火山があるわけですし、活火山でなければ安心かというと必ずしもそうではない。
 特に大きな被害が出た御嶽山の噴火がありました。木曾の御嶽山、あれは最初の噴火が1979年でした。それ以前はあれは死火山ということになってた。その当時はまだ死火山という言葉あったんで、誰も活火山だと思ってなかったですよね。
 でも79年にいきなり噴火して、その後は10年に1回ぐらいずつ噴火してますね。2014年ですか、たまたま土曜日か日曜日でしたかね。みんなが頂上でご飯を食べてる時に噴火をして、たくさんの方が亡くなった、というようなことはございました。
 日本の火山というのは、そういう意味で、いわゆる第四紀火山っていうのを、原子力では全部調査してください、ということになっておりまして、活火山に限らず、そういう意味で、地震と津波と火山というのは今の規制では、どれも非常に影響が大きいということで、同じような比重で審査をしております。
 ただし津波と火山に関する規制というのは、これは福島第1の事故の後で始まった規制なんです。その前は地震しかやっていませんでした。そこのところが非常に片手落ちだったという反省で、今回、規制委員会では、それらについても同じように見ておりまして、特にどれがということはないと思います。
 特に津波に関しては、これは非常に盲点だったというふうに考えています。
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