[2025_12_26_03]稼働可能な期間長い炉への投資重要…社長交代は常に頭に 東電HD・小早川社長の一問一答(産経新聞2025年12月26日)
 
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稼働可能な期間長い炉への投資重要…社長交代は常に頭に 東電HD・小早川社長の一問一答

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 東京電力ホールディングスの小早川智明社長は25日までに産経新聞のインタビューに応じた。主な一問一答は次の通り。

 反省、教訓を安全に生かす

−−柏崎刈羽原発6号機再稼働がほぼ決まった
 「新潟県の判断を厳粛に受け止めており、本当に身の引き締まる思いだ。安全に対して謙虚に取り組んでいくことに尽きる。福島第1原発で事故を起こした当事者としての反省、教訓をこれからの安全に生かす」

−−再稼働の意義は
 資源が少ない日本において脱炭素と成長、生活の安定を両立するのは、原発を抜きには難しい。災害時のレジリエンス(対応力)向上の意味でも重要な電源だ。東日本大震災の際は太平洋側で火力が止まったが、柏崎刈羽原発が稼働していたので計画停電が緩和された」

−−再稼働に向け、どこに一番注力してきたか
 「現場に目を向け、働いている方と対話することだ。核物質防護に関して不適切事案が起きたときも、どういうことが起きていたのかについてよく対話し、一つ一つ直していこうとした。現場で働く6千人の多くは新潟に住んでいる。一人ひとりが自信、誇りをもって働けると感じてもらえることが必要だ」

 廃炉を着実に進めることが大前提

−−1〜5号機はどうするのか。廃炉は
 「大きな問題意識は西日本でPWR(加圧水型軽水炉)の再稼働が進んでいるのに対し、東日本のBWR(沸騰水型軽水炉)が遅れていることだ。そうした点を踏まえ、他電力と協力しながら再稼働を進めたい。そのうえでだが、1、2号機は相当古い。稼働可能な期間が長い炉を選び、投資していくことが重要になる」

−−2026年は福島第1原発事故からちょうど15年になる。51年の廃炉完了は予定通りできるか
 「予定は大事だが、廃炉を着実に進めることが復興の大前提であり、着実に前進させたい。2号機でデブリ(溶け落ちた核燃料)の試験的な取り出しを行った。廃炉をどう進めるか、戦略を立てることにもつながる貴重な一歩であり、積み重ねていきたい」

 投資、業界の垣根越え取り組む

−−今後のフリーキャッシュフロー黒字化の道筋は
 「コストカットも進めなくてはいけないが、本質的には成長を支える投資が重要だ。例えば、データセンターを開発するデベロッパーなどと連携し、最短、最適な投資をしていきたい。必要な制度設計は国にもお願いする。これから日本が成長していくチャンスを迎えており、業界の垣根を越えて取り組む時期だ」

−−経営再建に向けた第5次総合特別事業計画はどのような中身になるか
 「電力需要が増し、相当な投資が求められている状況だ。自分たちだけの事業の枠にとらわれず、必要な部分に投資をしていただける皆さまと取り組んでいく。そういう中身を盛り込んだ形で作っていきたい」

−原発再稼働のめどが立ち節目だが、今後も社長の重責を担い続けていくのか
「指名委員会等設置会社なので、しっかりと後進を育てどこかのタイミングで道を譲るということは、常に頭にある。自分が果たせる責任は果たしたい」

(聞き手 中村智隆、織田淳嗣)
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