[2024_11_27_05]震度5弱は予想されていた?“石川県西方沖”の地震「能登半島地震とは別の断層で発生」(TBS2024年11月27日)
 
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震度5弱は予想されていた?“石川県西方沖”の地震「能登半島地震とは別の断層で発生」

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 石川県輪島市と志賀町で26日夜、最大震度5弱を観測したマグニチュード(M)6.6の地震。震源域の石川県西方沖では、専門家が10月、大きな地震に警戒を呼びかけていました。今回の地震と元日の能登半島地震との関連性や、今後注意が必要なポイントをまとめました。

 Q. 今回の地震の特徴は?

 地震そのものの規模が大きかったです。26日の地震の規模はM6.6で、2023年5月5日に珠洲市で最大震度6強を観測したM6.5の地震を上回りました。近年、石川県周辺で発生した地震と比較しても、2024年1月1日の令和6年能登半島地震(M7.6)、2007年3月25日の平成19年能登半島地震(M6.9)についで大きくなりました。
 震源が沖合だったため、地上で感じる揺れの強さは輪島市と志賀町で震度5弱に留まりましたが、もし仮に震源が陸の直下だったら、震度6弱〜6強の揺れになっていたと考えられます。

 
 26日午後10時47分ごろの石川県西方沖の地震の震度分布

 Q. 今回地震が起きた「石川県西方沖」はどんな所?

 気象庁は地震が発生した場所に「震央地名(しんおうちめい)」を設けていて、石川県の沿岸では、志賀町付近より北が「能登半島沖」、羽咋市付近より南が「石川県西方沖」とされています。
 1月1日の能登半島地震の震源域では、現在も毎日小さな地震が繰り返し発生していますが、26日に地震が発生した場所では、9月下旬から急に地震の回数が増えました。
 地震学が専門の金沢大学の平松良浩教授も10月上旬、石川県西方沖の危険性を指摘していて、MRO NEWS DIGでも 「石川県西方沖で大きな地震に注意」 と報じていました。

 Q. 今回の地震は元日の地震の影響?

 平松教授は「広い意味での(元日の地震の)余震という言い方もできなくはない」とした一方で、1月1日に動いた断層の割れ残りというよりは、別の海底活断層が活動したとみています。
 政府が2024年8月に公表した兵庫県沖から新潟県沖にかけての海底活断層の長期評価では、26日夜に地震が発生した場所の近くに「羽咋沖西断層」と呼ばれる海底活断層が走っています。


 2024年8月に公表された能登半島周辺の海域活断層 1月1日の能登半島地震では16番の能登半島北岸断層帯や22番の富山トラフ西縁断層の一部が連動したと考えられている

 Q. なぜ大きな地震に警戒が呼びかけられていた?

 地震は断層に加わる「ひずみ」が限界に達し、断層が滑ることで発生しますが、1月1日の能登半島地震以降、周辺の断層にひずみが加わったと考えられています。


 赤色がひずみが増した場所 羽咋沖西断層近くも赤く表示されている=金沢大学・平松良浩教授提供

 今回の地震の震源とみられる羽咋沖西断層の付近でも、元日以降、ひずみが増し、地震発生のリスクが高まっていました。

 Q. 金沢市周辺でも注意必要?森本・富樫断層帯のリスクは

 さらに注意が必要なのは、以前から知られている邑知潟(おうちがた)断層帯や、金沢市の直下を走る森本・富樫断層帯でも、地震を起こしやすくする力が加わっていると考えられています。平松教授は「金沢周辺でも大きな地震の起こる可能性は1月1日以前よりも高まっていると捉えることができる」としています。
 また今回地震が発生した石川県西方沖や、元日の能登半島地震の震源域でも地震発生のリスクが高まっています。平松教授は「隣にある羽咋沖東断層のほか、周辺には別の断層もあるので、そういう所で26日の地震(M6.6)と同程度、あるいはそれよりも大きなM7程度の地震が起こる可能性は考えられる」と警鐘を鳴らします。


 能登半島地震の震源域周辺では数十年スパンで注意が必要と話す平松教授=金沢大学、27日午後

 気象庁は、今回の震源域では、今後1週間程度、同じくらいの地震に注意するよう呼びかけていますが、能登地方に限らず、より広い範囲で、今後数年から数十年スパンで大きな地震に注意していく必要があります。
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