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[2024_09_13_09]世界初の核ごみ処分場 議論蓄積の経験学びたい(毎日新聞2024年9月13日) | ![]() |
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参照元
04:00 原子力発電は「トイレなきマンション」に例えられる。発電に伴って出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の処分問題が先送りされてきたからだ。 フィンランドにある世界初の核のごみの最終処分場「オンカロ」で、試運転が始まった。 10億年以上にわたり地殻変動が確認されていない深さ約400メートル超の地層に埋める。放射能が減衰する10万年後まで保管する計画だ。試運転では模擬燃料を使い、数カ月かけて埋設などの工程をチェックする。 フィンランド政府が地層処分の方針と、2020年の稼働目標を決めたのは1983年だ。 この決定に基づき、処分事業者が地質学的な特徴や人口密度などを元に102カ所の候補地域を抽出し、調査に応じる意向を示した数自治体に絞り込んだ。 受け入れには反対意見もあったが、事業者は90年代半ばから住民対話集会や自治体側との会合を積極的に重ねた。地元の同意を得て、国が01年に正式決定した。 地元自治体には、固定資産税収入が増えることや雇用創出などの経済的なメリットがあった。さらに、フィンランドの原発では重大な事故や不祥事がなく、事業者や規制当局に対する国民の信頼が高いという事情もある。 日本では66年に最初の原発が運転を開始したが、地層処分の法整備は00年になってからだった。 02年に候補地の公募が始まったものの、処分地に適しているかを見極める調査に応じたのは3自治体にとどまる。 背景にあるのは、原発政策全般に対する不信感だ。日本の事業者は、重大な原発事故は起きないと説明してきた。しかし11年の東日本大震災で東京電力福島第1原発事故が発生し、「安全神話」は崩壊した。 処分場の立地選定や建設を担う原子力発電環境整備機構(NUMO)は各地で説明会を開いているが、17年には謝礼付きで学生を動員したことが発覚した。手続きの公正性が問われる事態となった。 地震国・日本では処分場の適地が少なく、選定は難航が予想される。40年前から議論を重ねてきたフィンランドの経験に学び、国民の理解を得る道筋を探りたい。 |
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KEY_WORD:地層処分_:FUKU1_:HIGASHINIHON_: | ![]() |
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