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[2024_09_04_04]福島第一原発デブリ取り出し延期 東電 調査結果を経産省に報告(NHK2024年9月4日) | ![]() |
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参照元
17:40 先月、福島第一原子力発電所で核燃料デブリの試験的な取り出しが装置の取り付けミスにより延期された問題で、東京電力は4日、準備段階での作業について確認が不十分だったことなどが原因だったとする調査結果を、経済産業省に報告しました。 福島第一原発2号機では、先月22日、事故後初めて、溶け落ちた核燃料デブリの試験的な取り出しに着手する計画でしたが、直前で装置の取り付けミスが見つかり、延期されました。 取り付けミスがあったのは伸縮する細いパイプ状の取り出し装置で、5本ある押し込み用のパイプで格納容器の中まで押し込む仕組みになっていますが、あらかじめ並べられていたパイプの順番が誤っていることに、当日になって気がついたということです。 4日は東京電力の小早川社長が齋藤経済産業大臣のもとを訪れ「広く社会に関心、期待を寄せられた中での作業中断でご心配おかけしたことを、改めておわび申し上げる」と陳謝したうえで、原因に関する調査結果と再発防止策を報告しました。 原因については、事前にパイプを並べる作業の現場は放射線量が高く、作業員は重装備が必要でミスが起きやすい環境だったにもかかわらず、手順の確認が十分ではなかったとしています。 また、東京電力の社員は現場に立ち会っておらず、その後の確認も行っていなかったということです。 そのうえで、今後は準備段階も含めて、現場視点に立った作業手順の策定や確認を徹底するとしています。 これに対し齋藤大臣は「廃炉作業の安全性や遂行能力に不安を抱かせないよう、東京電力は高い緊張感を持って対応することを厳しく求める」と述べました。 東京電力は5日、会見を開いて詳しい原因と対策や、再開に向けた今後の進め方などについて説明するとしています。 東電社長「単純作業と認識 確認できていなかった」 経済産業大臣との会談のあと、報道陣の取材に応じた東京電力の小早川智明社長は「作業現場は高い放射線量で決して軽んじてはいけない部分であったが、単純作業という認識でわれわれとしての確認ができていなかった。原子炉建屋に入るところから作業の動線をしっかり見ていく必要があった」と述べました。 また、今後に向けては「福島第一原発の廃炉現場は、全般的にまだまだ放射線量の高い過酷な現場であることを再認識し、作業全般に対してわれわれの目で確認していく。そのうえで、高線量下の作業については確認作業をすることもそれだけ作業員が被ばくすることになるので、実効性を高める工夫や現場視点に立った作業設計、必要に応じた模擬訓練をしっかりやっていく」と話していました。 取り付けミスの経緯 今回の核燃料デブリの取り出しで使う装置は、伸縮するパイプ状のもので、格納容器の中まで後ろからさらに別のパイプで押し込む仕組みになっています。 押し込み用のパイプは5本のパイプをつないで使う構造になっていて、8月22日、現場で取り付けようとしたところ作業員がパイプの並び順が誤っていることに気付いて作業は中断されました。 5本のパイプは、装置と直接つながる1本目がほかの物と構造が異なっていて、現場では本来1本目につなぐべきパイプが4本目に並べられていたということです。 パイプの中にはデブリをつかむ装置の先端部分の器具から遠隔操作などのためのケーブルが伸びていて、高い放射線量の現場では、すぐに並べ替えて作業を継続することはできませんでした。 パイプを並べる準備作業は、元請け企業の監督のもと、下請け企業の作業員がことし7月28日に行っていたということです。 今回の作業の延期については、福島県が「人為的かつ初歩的なミスで、県民に大きな不安を与えかねない」として東京電力に再発防止などを申し入れ、齋藤経済産業大臣は東京電力の小早川社長に対し「廃炉の安全性や執行能力に不安を抱かせるもので猛省を促したい」として原因究明と対策の報告を求めていました。 東電の管理体制問われるトラブル 福島第一原発では、この1年間で見ても現場の確認不足や手順書の不備など、東京電力の管理体制が問われるトラブルが続いています。 去年10月には、汚染水を処理する過程で、一部の作業員がカッパを着ないまま現場に入り、予定外の作業を行った結果、廃液をかぶって被ばくし、調査の結果、東京電力が現場の作業実態や廃液が飛び散るリスクを把握できていなかったことが明らかになりました。 また、ことし2月、汚染水の処理設備で行われていた配管の洗浄作業中に、放射性物質を含む水が建物の外に漏れ出したトラブルでは、作業前に配管の弁を閉めることが手順書に明記されていませんでした。 いずれのケースでも、東京電力の社員は現場に立ち会っていませんでした。 これらのトラブルを受けて東京電力は、新たな作業を始めたり作業の手順を変更したりする場合には、東京電力の社員が立ち会い確認することにしたほか、ことし5月から6月にかけてすべての現場作業について「総点検」を行い、およそ680件の作業について手順書を見直すなどしたとしていました。 こうした中で今回、装置の取り付けミスが起きたことについて、東京電力福島第一廃炉推進カンパニーの小野明代表は8月29日の会見で「作業の総点検は、作業員の安全や周辺環境に影響するような部分にしぼって行ってきた。今回の事案はそうした安全にかかわるものではなく、最低限は果たせていると思う。ただ、福島を含めて社会にとって非常に関心のある重要な作業においてご心配をおかけしたことはおわび申し上げたい」と話していました。 |
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KEY_WORD:福1_デブリ回収_:廃炉_:FUKU1_:汚染水_: | ![]() |
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