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[2024_08_06_01]<東海第2原発 再考再稼働>(66)廃炉を決断するべき時 共産県議・江尻加那さん(51)(東京新聞2024年8月6日) | ![]() |
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参照元
07:33 東海第2原発(茨城県東海村)の再稼働を目指す日本原子力発電の構想は破綻した。再稼働どころか、今こそ廃炉を決断するべき時だ。使用済み核燃料の管理に徹する会社に変わるべきだ。そうすれば、周辺自治体が現状のような実効性の乏しい広域避難計画作りに苦労することもない。 再稼働に向けた事故対策工事の一環の防潮堤で昨年発覚した施工不良を巡り、原電はことし6月、原子力規制庁から「造り直すことが大前提」などと抜本的な見直しを要求された。原電は7月中旬までに新たな説明をするとしたが、約束を果たせなかった。 どのように造り直すのか、既に造ってあるものを利用するのか、あるいは全て造り直すのか、設計変更が想定できない。設計変更ができないのだから、それに伴う工期延長も具体的に示せない状態だろう。しかも規制庁が認める案でなければならず、原電は追い込まれている。当初の原電の想定を上回って不利な状況となっているとみる。 私と仲間たちは長く東海第2原発の再稼働に反対し、廃炉とするよう求めてきた。防潮堤の施工不良や、「工事完了の目標は9月だが非常に厳しい状況」との説明を繰り返す原電の姿勢に、いわゆる反対派だけでなく、賛成派も含めて不信感がかつてないほど高まっている。施工不良は防潮堤だけではないのでは、という疑念も広がっている。 大井川和彦知事は、原電が昨年10月に施工不良を公表した直後の定例会見で「原子力安全協定上は報告義務のないたぐいの話」と問題視している感じがなかった。ところが先月の会見では、今後の見通しを示さない原電の姿勢を問われて「地元に対して不誠実」と明確に批判し、知事の変化に驚いた。 今回の施工不良問題は、工事に従事していた人がずさんな工事に憤り、昨年春に事実関係を原電と共産党に情報提供した。私たちは原電に質問するなどしていたが公表する姿勢が見られなかったので、10月に記者会見をセットしたところ、当日の会見直前に原電が公表した経緯がある。 私は、原電ができるだけ公表を遅らせたとみている。情報提供者と先月に連絡を取った。情報が公開され、規制庁が原電に対し適切な対応を要請し、「告発して良かった」と話した。 県議としては、県議会も変わらないといけないと考える。県議会として東海第2の現地視察を早急にするべきだ。東海第2以外にも、県内には東海村をはじめとして原子力施設が多数ある。それなのに県議会に原子力問題のための委員会がないのはおかしい。8月中に半村登議長に対し、県議会による現地視察の実現と、原子力問題の委員会設置を求める文書を提出する準備をしている。 東海第2についての考えを明確にしない県議がいることも残念だ。再稼働に賛成するにせよ、反対するにせよ、県議全員が自らの意見を公表する議会でありたい。(聞き手・竹島勇) ◇ 東海第2原発の防潮堤の施工不良を巡り、日本原子力発電が厳しい立場に追い込まれている。昨年6月の判明後、一部の作業は中断が続き、原電が目標としていた事故対策工事全体の9月完了は絶望的な状況。「福島の悲劇」を繰り返さないための重要施設で建て直しを求められるまでの混乱を招いた原電に、問われているのは「原発を動かす資格」そのものだ。 <えじり・かな> 1973年、徳島県出身。筑波大芸術専門学群建築デザイン領域卒、1級建築士。水戸市の建築設計事務所に勤務後、2003年4月から水戸市議を3期務める。15年1月から県議(水戸市・城里町選挙区)となり、3期目。日本共産党中央委員、党県委員会副委員長。 |
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KEY_WORD:東海第2_鋼製防護壁_不備_:TOUKAI_GEN2_:廃炉_: | ![]() |
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