[2024_03_25_10]令和6年能登半島地震以降の志賀原子力発電所の現況について(3月 25 日現在)(北陸電力2024年3月25日)
 
参照元
令和6年能登半島地震以降の志賀原子力発電所の現況について(3月 25 日現在)

 04:00
 2024 年3月25 日
 北陸電力株式会社
 北陸電力送配電株式会社

 志賀原子力発電所は、1、2号機(定期検査により停止中)とも、外部電源や必要な監視設備、冷却設備および非常用電源等の機能を確保しており、原子炉施設の安全確保に問題は生じておりません。また、発電所に設置しているモニタリングポストの数値に変化はなく、外部への放射能の影響はありません。
 令和6年能登半島地震による2号機主変圧器からの絶縁油の漏えい事象に関連し、当該主変圧器の損傷箇所の調査が完了するとともに、前面の海面上で確認された油膜の原因と対策がまとまりました。(添付資料1、2)
 また、志賀原子力発電所における令和6年能登半島地震後の状況(断層、敷地地盤、津波)について取りまとめましたので、あわせてお知らせいたします。(添付資料3)なお、これらを踏まえ、令和6年能登半島地震以降の志賀原子力発電所の現況について、これまでお知らせした内容を別紙1、2のとおり更新しました。
 引き続き発電所設備全般の詳細な点検を継続し、発電所の安全確保に努めてまいります。
今後、詳細な点検の過程で新たな不具合が確認された場合は、お知らせしてまいります。

 添付資料1 志賀原子力発電所2号機 主変圧器の損傷箇所について
 添付資料2 志賀原子力発電所 前面の海面上での油膜確認の原因と対策
 添付資料3 志賀原子力発電所 令和6年能登半島地震後の状況(断層、敷地地盤、津波)

 別紙1 令和6年能登半島地震以降の志賀原子力発電所の現況について
 (3月 25 日現在)
 別紙2 発生事象および現時点までの対応状況

 以 上

 添付資料1
 志賀原子力発電所2号機 主変圧器の損傷箇所について

 1.事象概要

 志賀原子力発電所2号機において、令和6年能登半島地震により、2号機主変圧器の絶縁油面の低下警報が発生するとともに、比率差動継電器が動作し、外部電源を受電する変圧器が自動で2号機予備電源変圧器に切り替わった。その後、油中ガス分析にて変圧器の内部故障の兆候を確認したことから内部点検を実施することとしていた。(1月 30 日にお知らせ済)

 2.内部点検結果

 ・T相のブッシング※1に放電痕とブッシング損傷が確認された。(@)
 ・T相のブッシングケースに放電痕が確認された。(A)
 ・変圧器本体内壁面にカーボン※2の付着があったが、コイルおよび鉄心に異常は認められなかった。
 ・R、S相のブッシングおよびブッシングケースに異常は認められなかった。

 3.推定原因

 ・地震により冷却器の配管が損傷(B)して油面が低下したことにより、絶縁油で絶縁性能を確保していた充電部の一部が気中に露出し、T相のブッシングで放電現象が発生した。
 ・放電現象としてアーク※3が発生し、その衝撃によりT相のブッシングの一部が損傷した。
 ・なお、損傷したブッシング等の復旧方法(取替範囲、工法および試験方法等)について調整中であり、復旧時期については未定である。

 ※1 ブッシング:ケーブルの固定とケーブルとケースを絶縁するための器具
 ※2 カーボン :炭素(アーク発生時に絶縁油が熱分解することにより生成)
 ※3 アーク :気体中の放電で生じるプラズマの一種であり、光と熱を発する



以上
KEY_WORD:能登2024-変圧器の耐震性向上が必要_:NOTOHANTO-2024_:SIKA_: