[2024_02_07_07]濃縮度測定装置に異常 原燃ウラン工場、製造停止(東奥日報2024年2月7日)
 
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濃縮度測定装置に異常 原燃ウラン工場、製造停止

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 日本原燃は6日、ウラン濃縮工場(六ヶ所村)で5日に濃縮度を測定する装置に異常が起き、遠心分離機へのウラン供給を停止したと発表した。原因を究明し再発防止策を講じるまで、原発燃料用の製品ウランの製造を止める。遠心機内のウランは全て回収し、環境への影響はないという。

 同工場は、天然ウランを原発燃料用として利用するために遠心機で濃縮する施設。核分裂しやすいウランの割合を約0・7%から3〜5%(低濃縮ウラン)まで高める。原燃によると、遠心機は濃縮度が5%未満となる設計になっている。
 5日午後3時20分ごろ、濃縮後の製品化へ向けた工程で設置されている測定装置に異常が発生。保安規定上、安全管理の観点から5%未満を毎日確認しているが、正常化のめどが立たなかったことから同11時50分にウランの供給を止めた。
 計測値のばらつき、ガス状のウランを装置に送り込めないなど、2系統ともに不具合が生じたという。原燃はトラブルのうち重要性が最も高い「A情報」として県、村、国に連絡した。
 増田尚宏社長は6日、青森市内での会合で陳謝し「速やかに原因を究明し、再発防止を図る」と述べた。
 同工場は2023年8月に生産運転を約6年ぶりに再開したが、圧力計の故障などによる部品交換に時間を要し、今年1月29日に遠心機への天然ウランの供給を始めたばかり。原燃は同30日、増設した遠心機の生産運転開始を7月へ4か月延期すると公表していた。 (佐々木大輔)
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