[2022_05_18_02]福島原発処理水の“海洋放出”安全性問題なし 原子力規制委が了承 漁師「誰ひとり賛成者はいない」宮城(仙台放送2022年5月18日) |
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福島第一原発で増え続けている処理水の海洋放出について原子力規制委員会は5月18日、東京電力が策定した計画を「安全性の問題ない」として1了承しました。「事実上の合格」が示された形です。 東京電力はトリチウムなどの放射性物質を含む処理水について、国の基準値の40分の1以下まで海水で薄め原発から1キロほどの沖合で放出する計画です。 18日の規制委員会の会合ではこれまでの現地調査などの結果「安全性に問題はない」として事実上の合格を意味する審査書の案を了承しました。そのうえで、5月19日から1カ月間、一般から意見を募り、それらを踏まえ東京電力の放出計画を正式に認可する方針です。 海洋放出をめぐっては地元の漁業者を中心に風評被害を懸念する声が根強く、東京電力は地元自治体の了解を得た上で本格的な工事に着手し、来年春ごろの放出開始を目指しています。 原子力規制委員会 更田豊志 委員長 「安全上の影響や健康、海産物への影響が考えられるとは完結的には到底考えられるような処分ではないが、非常に多くの方々に関心・懸念があるということなので、必要以上にというと正しくないかもしれないが、非常に丁寧に審査した」 海洋放出の了承を受け県内の漁業者は…。 漁業者 佐藤正浩さん 「了承したということは、海洋放出をやるということだから現実受け止めるしかない。誰ひとりとして賛成者はいないと思う」 南三陸町でギンザケ養殖をする佐藤正浩さん。海洋放出では「風評被害」出るのではと不安を口にします。 漁業者 佐藤正浩さん 「どんな説明をしたってそこの魚をあえて食べる必要ないという考えを持つ。(震災後)やっと元通りに戻りつつあるのにまた逆戻りしたのでは。できればやめてもらいたいというのが本音」 県漁協の組合長も不安を募らせます。 県漁協 寺沢春彦 代表理事組合長 「宮城県の場合は震災当初から原発の問題で、今でもホヤの輸出規制が解除されないまま11年が過ぎている。解決してない案件があるにも関わらず、さらなる課題というか懸念が発生することに、我々はやはり不安が募る。この海洋放出は断固反対。私の今の気持ち」 そして、村井知事は「引き続き海洋放出以外の処分方法の継続検討を求めていくとともに、復興に向けたこれまでの努力と積み重ねてきた成果が水泡に帰することのないよう、より具体的かつ効果的な風評対策を国及び東京電力に対し求めていく」とコメントしています。 |
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