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[2021_12_09_01]深浦・米軍タンク投棄 強烈な異臭、燃料で滑る路面 「2次被害 防がないと」 夜の現場、住民が交通誘導(東奥日報2021年12月9日) | ![]() |
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謎の金属片、鼻を突く臭い、道路に広がる不気味な液体…。米軍三沢基地所属のF16戦闘機が深浦町内に燃料タンク2個を投棄したトラブルは、当初は事件か事故か分からず、住民は不安に包まれた。たまたま居合わせた男性2人が暗闇の中、飛散した油への引火を警戒しながら交通誘導に当たった。 (鎌田秀人)
第一通報者は、同町の銀行員田中幸治さん(49)。11月30日午後6時10分ごろ、買い物から帰宅途中、町役場近くの国道101号を通り掛かった。結露防止のため開けていた窓から、突然、きつい臭いが車内に入り込んできた。辺りを見回すと路肩には金属片が見え、黒っぼい油状の液体が広がっていた。 「何だ。灯油の配達業者が何か落としたのか」。深浦交番に駆け込んだが、巡回中で不在。緊急時の連絡先に示された鯵ヶ沢署に、慌てて電話した。「ガソリンのようなものがある。金属片も落ちている」 本来なら警察あるいは消防に任せるべき事態。だがどうしても異臭と金属片が気になった。午後6時半ごろ、現場に戻るとスニーカーの足元が滑るほど、多量の燃料が広がっていた。付近は見通しが悪いカーブ。「スリップや追突など二次被害を防がないと」 田中さんは車内に常備していた誘導灯で、車両の減速や片側通行の誘導を始めた。目まいがするほど臭いが強く、田中さんはコロナ対策で持っていたマスクを三重にした。「肺の中まで一晩中、臭いが残る感じだった」 知人からの連絡でトラブルを知った地元の自治会長葛西清さん(63)も同時刻ごろ現場に駆け付けた。葛西さんは「マグロの頭のような金属片があって油臭かった。ヘッドライトを外し、点滅させて車を誘導した」と振り返る。 間もなく消防署員が到着。一帯をライトで照らすと、ほかにも金属片が見つかった。「飛行機の部品か」。消防署員同士が話すのを田中さんは耳にした。 田中さんが交通誘導を警察に引き継いだのは午後7時半ごろ。帰宅後ネット検索でタンクの投棄を知り、「とんでもないものを見つけた」と驚いた。 民家近くにタンクを投棄した米軍に、2人は「命の尊さに向き合って事の重大性を認識し、真剣に再発防止に努めてほしい」(田中さん)、「国防に関わるので訓練をやめろとは言えないが、再開前にもっと丁寧な説明があれば」(葛西さん)と話す。 鯵ヶ沢署は9日、2人に対し、二次被害を率先して防いだ功労者として感謝状を贈る。 |
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KEY_WORD:墜落落下事故_: | ![]() |
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