[2019_05_16_03]大熊町民の叫び 原発を推進したい政治家や経済人にはぜひ福島県に住んで 大熊町にある原発で働いてほしい 木幡ますみ(福島県大熊町町議)(たんぽぽ舎2019年5月16日) |
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今日、私がいわき市に借りていますアパートの近くで大熊町の方にお会いしました。 短い時間でしたが、今私達、原発避難者が置かれている問題が凝縮されていました。 彼女のお連れ合いの方は、震災そして原発事故により避難を余儀なくされ何も出来ず8年が経ち心も体も疲れ果て鬱病を発症、更に高血圧そして糖尿病と次々と病を併発し現在介護認定を受け介護センターに週何度か通っています。 彼は大熊町に住んでいた時はお店を構えて朝から晩まで料理を作ることに没頭していました。 元々大熊町出身では有りませんでしたが、大熊町に来て愛する方に出会い結婚をして子供に恵まれ、お金に余裕は有りませんでしたがそれでも夢があって好きな料理を仕事として毎日ひたすら働き、今思えば楽しかったと話されていました。 世間一般の人達と同じく喧嘩もしたし睡眠不足にもなったりしたけれど働いた。 嫌今と比べたら働けた。好きな料理を作るということを仕事にして。 しかし今は何にも出来ない。人に料理を作って食べてもらう事が私達の幸せでした。 今、大熊町の大川原地区は新しい役場を作り復興、復興と騒いでいるけれど大熊町にとってはほんの一部で、大熊町の全体の1割です。 殆どは帰還困難区域で、山に囲まれているのにも関わらず山は除染をしない。 山は除染なんか出来るとは思ってはいないけれど、山々を除染しなければ帰れない。 震災前からの囲いの木や草花は除染はしないで、土壌を上部だけちょっと削って少しひっくり返しをして除染は終了しました、さあ帰りなさい。なんて他人事なんだ。 原発だってまだまだ廃炉なんてずっと先の話でしょう。 廃炉と言っても成功出来るかどうかわからないし怖いです。 デブリを取り出すと言われても途中で落としてしまったり、又地震等が起きないとは言えないでしょう。 もし取り出したとして何処に置きますか。大変な物を大熊町に置いておくのに、そんな所に住民を帰らせるなんて酷いでしょう。 ただ帰らせれば国は役目を果たしたと思ってんじゃない。私達の生活とか健康なんて考えていないんですよ。 これから私達は何を目標に生活をすれば良いのか、お父さんに痴呆が出て来てこれからどうやって生活すれば良いのか。 お父さんを介護センターに送り一人になると、これからの事を考えていると涙が出て止まりません。 原発はもうこりごり。安全だから大丈夫ですなんて嘘っぱち。 事故が起きて逃げろと言われ、まだ8年しか経っていないのに今度は帰ろ帰ろと。いつも命令ばかり。 放射能で汚染された所に帰れというなら、国も政治家も安倍総理だって直ぐ帰らす大熊町で国会をやるくらい考えたら良いのにと言い最後に、今度、木幡さんがアパートにいる時言ってね、私何か作って来るから食べてねと言いながら去って行かれました。 福島第一原発事故は私達原発避難者ばかりではなく、本当に多くの人々の人生を狂わしてしまいました。 福島県内ばかりではなく、福島県の近隣市町村の人々の人生を狂わしてしまいました。 未だに避難先から帰って来られない方々、しかし生活が困窮し自死をされた方々、帰られても以前のような生活が出来ない方々、と多くの大変な現実が存在しています。 原発を推進したい政治家や経済人には、是非福島県に住んで大熊町に有る原発で働いて欲しい。 (2019年5月12日に「スペースたんぽぽ」で開催された「福島第一原発事故9年目福島の現状−町議として活動4年目で見えてきたこと−」参加者に配布された木幡さんの資料より) |
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