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[1987_03_24_01]三沢基地F16墜落 原因はエンジン不調 市長、飛行中止を要請 米軍謝罪、だが訓練は続行 「戦闘機撤去を」 四川目町内会、市長に抗議 機種転換控えていた 事故機 「原因調査と適切な措置を」 県、米司令官に電報 津軽海峡にソ連艦(東奥日報1987年3月24日) | ![]() |
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米軍のF16戦闘機墜落事故で基地の街、三沢市民の不安は高まっている。鈴木重令市長は23日、米軍三沢基地司令官に文書で抗議した。同市が基地問題で抗議という強い姿勢を示したのは初めて。市議会などからは飛行中止を求める声が相次いだ。航空機進入コース直下の四川目町内会は「全戦闘機の即時撤去を」と反発を強めている。一方、墜落原因はエンジントラブルだったことが明らかになった。同基地には事故機と同じエンジンを積んだF16A/B型機がまだ残っているとみられ、飛行中止を求める声に拍車がかかりそう。 鈴木市長は23日午前、記者会見し、「F16第二次配備で今年中に25機が増強されるのを前に事故が起き、進入表面下町内会住民、全市民の恐怖感が一段と募る」と懸念を表明、関係当局に事故原因の徹底的究明と事故の再発防止を求めた。今後の基地対策について「基地との共存共栄は変わらないと」としながらも「事故、トラブルの解決は国の責任ですべきだ」と国の責任の明確化を要求。今回の事故通報についても「きょうまで米軍から直接の連絡がない」と、米軍の対応に強い不満を示した。 鈴木市長の抗議文は三浦光雄助役が第432戦術戦闘航空団R・ディーン・スティッケル司令官に直接手渡した。この中で市側は同一機種の飛行訓練中止を要請。これに対して同司令官は「三沢市民に心配をかけて申し訳ない」と謝罪、事故通報についても「今後は事故があれば、速やかに市長に連絡する」と事故通報のまずさを認めた。しかし、米軍側は飛行中止の予定はないとしており、日米が対立した形になっている。 三沢市議会では西村秋男議長が副議長、基地対策特別委員会のメンバーを急きょ招集、対応を協議。24日には、同委員会が開かれるが、西村議長は「F16が海上に落ちたから、それで済むというものではない。市民全体の恐怖感は相当なものだ。当面の間の飛行中止はもちろん、場合によっては第二次配備計画反対も考える」と強硬姿勢。 別部昭三郎基地対委員長も「日曜日は飛ばないという米軍・航空自衛隊と市の紳士協定があるはず。それが飛んで事故を起こすとは」と怒りをみせた。 これについて米軍側は「日曜日にも任務で飛ぶこともある」(基地報道部)というだけ。事故発生の22日に簡単な記者会見しただけで、ほとんど沈黙している。一方、共産党、社会党は同日、米軍に対して抗議、飛行中止などを求め、共産党は街頭活動に繰り出した。共産党第38地区委員会も秋山八戸市長に対し@F16飛行中止A米軍、自衛隊機の八戸市街地上空の飛行中止ーなど申し入れるよう要請した。 「原因調査と適切な措置を」 県、米司令官に電報 米軍三沢基地のF16戦闘機墜落事故で県は22日、スティッケル航空団司令官に対して、電報で事故原因の調査と適切な措置を申し入れた。また23日には仙台防衛施設局三沢防衛施設事務所の八幡所長を呼んで、事故の内容などについて説明を求めた。岩瀬副知事は「県民に被害がなかったのが不幸中の幸いだが、今後このような事故が起きないように、安全性を高める努力をしてほしい」と話し、改めて文書で再発防止を申し入れる方針。 一方、共産党県委員会(木村昭四郎委員長)は23日、スティッケル司令官と北村知事に対してF16の飛行中止、F16の三沢基地からの撤去や配備計画の中止、三沢基地の撤去などを申し入れた。 機種転換控えていた 事故機 三沢米軍基地第432戦術戦闘航空団のR・ディーン・スティッケル司令官は23日、三浦光雄助役に「墜落したF16は飛行中エンジンの調整がうまくいかなくなり、高度を2000フィート(約600メートル)まで下げて緊急脱出した」とエンジントラブルが原因だったことを明らかにした。 F16戦闘機は空対空、空対地両用の能力があり、4万5000−5万フィート(1,3500ー1,5000メートル)の高高度から超低高度まで飛行できる。事故当時の訓練高度は明らかでないが、脱出時の2000フィートという高度は、滑走路着陸進入の際の高度、1500フィート(約450メートル)に近く、相当の低高度で緊急事態が起きた可能性もある。 事故機は同基地に第一次配備となったA/B型のうち単座式のA型。今年2月から4月にかけて、別のエンジンを積んだC/D型に機種転換することになっていた。 「戦闘機撤去を」 四川目町内会、市長に抗議 四川目町内会(板岡定松町内会長)は23日、F16墜落で鈴木重令市長に抗議、F16第二次配備反対を表明、F16などすべての戦闘機の速やかな撤去を求めた。また、近く抗議集会を開く−としている。 板岡会長らは「F16が今日も飛んですごい騒音だ。この上、墜落したらたいへんなことだ、集団移転はいつ実現するのか。これじゃ、三沢市以外に住まなきゃだめだ」など、口々に強い調子で抗議した。これに対し、鈴木市長は「市としても徹底的な原因究明を望んでおり、中途半ぱな処理はしない」と述べた。 |
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KEY_WORD:ROK_KIROKU_:鈴木重令三沢市長_:四川目町内会(坂岡定松町内会長)_:三浦光雄助役_:西村秋男三沢市議会議長_:ソ連海軍太平洋艦隊の原子力ミサイル巡洋艦フルンゼ_:F16_:墜落落下事故_: | ![]() |
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